367.2008年5月15日(木) 先輩の八百昭典さん逝く。

 多摩大学・現代世界解析講座第4回講座は、沈才彬多摩大教授による講演「中国の台頭と世界の潮流」だった。中国出身の中国問題専門家で、㈱三井物産戦略研究所出身らしくふんだんな資料を駆使しながら、得意の分野について持論を展開された。中国の今後の動向、米中関係、日中関係の行方、中国とのビジネスチャンスとリスク等について、独自の分析をされ、持ち時間の1時間半を甲高い声で淀みなくしゃべり続け、そのエネルギーにも感心させられた。

 寺島実郎氏の講義では、毎度たっぷりいただく資料を講義内容の補足に充てているが、三井物産戦略研究所で15年間も寺島氏の薫陶を受けた沈教授らしく、数値資料はなかなか得難く参考になるものである。

 中国台頭の例として、携帯電話、乗用車、株式の伸展具合を説明されたが、携帯電話普及台数が資本主義を導入した1989年の政府予測を、11年間で百倍も上回ったこと、1989年には中国には株式市場もなかったが、2007年の上海株式市場総資産(4兆2千億$)が世界4位となり、第2位の東京市場(4兆6千億$)を射程圏内に捉えたこと、等は面白い比較だった。やはり三井物産戦略研究所グループのスタッフの使う資料は、三井物産のネットワークを活用して世界中から収集したものであり、斬新で効果的なものだ。それにしても、沈教授の話し方は、第1回の司会役の印象からするとあまり期待できそうに見えなかったが、中々どうして説得力があり、熱意も感じられて中国に関して良い話を聞いたと感じた。

 サラリーマン時代にお世話になった、会社の先輩で元同僚の八百昭典さんが昨晩亡くなられた。3月25日に入院先の東海大学病院へお見舞いに伺ったときは、手術も終え結構元気そうでいろいろな話もしたので、突然の訃報にまさかという思いである。私より10歳年長でいながら、得意のセールス力を活かし、嘱託としてまだ働いておられた。お得意様に対する接遇に見る、頭が下がるくらいの徹底したセールスマンシップには随分教えられた。私自身は海外業務を主に取り組んできたが、国内・海外両分野を取り扱った部署でともに働いた時には、顧客の気持ちをつかむ極意のようなものを教えてもらった。八百さん自身が長い営業活動の中から自分で習得したもので、とても他の人には真似のできないことばかりである。八百さんと国内の僻地や、離島に一緒に出かけたおかげで、全国各地に足を踏み入れることもできた。テレビで利尻・礼文、隠岐、五島列島、屋久島等の画像を見ると、いつも八百さんと一緒に訪れたことが懐かしく思い出される。それらの土地へ行くことができたのは、本当に八百さんのおかげである。思い出は尽きないが、いまはただご冥福をお祈りしたい。  合掌

2008年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com