370.2008年5月18日(日) 政治家と役人の利得を失くせ!

 いま野党では共産党を含む国会議員の間で、この4月に実施されたばかりの後期高齢者医療制度を元へ戻すという1点だけで合意し、近く国会へそのための法案を提出するという。国はこれだけ反対の強い医療制度をよくも国民に充分説明もせず、実施へ踏み切ったものだと思う。典型的なKYと傲岸不遜の如からしむところだ。自民党内部にも長老を始めとして、反対者が多いところから推察すると、党内でも充分な根回しがなされなかったと見える。結局与党幹部が大枠を決めて官僚が筋書きを書き、それを与党内で追認したものと思われる。誰も国民、特に該当者の苦悩なぞ分かっちゃいない。

 しかし、よく考えてみれば、反対が多そうなことぐらい分かりそうな新医療制度を、敢えて僅かな検討期間のうちにまとめてしまったのは、政治家のあなた任せと官僚のしたたかさ、及び非情だろう。突き詰めれば、本質的な問題は政治家が自らの責務を果たさないことと、官僚が自分たちの我でやり過ぎることに起因していると思う。

 日本の社会は、主に金を稼がず権威だけを振り回す政治家と役人によって運営されている。その彼らが国家の財産の使い道を考え、方向を定めていくのだが、他人のためになすべきことが分からない人間に、実際そんなことができるわけがない。結局政治家も役人も権威を振りかざしているだけなのだ。

 政治家と役人が、国家にとってマイナス行動へばかり走るのは、世間、一般社会のことがよく分からないからである。本当の意味で世の動きが分かる世間と接触していないからだ。分かりやすく言えば、苦情処理の経験がないことが、社会人としての基礎や資質を磨く機会を逸している。政治家と役人には、実際に社会の第一線で自ら苦情に対応する機会を持ち、庶民の苦悩を知り、社会をもっと広く学んでもらいたい。

 さて、前段の後期高齢者医療制度の法案について、仮に元に戻すことになったら、この間の時間とこれに費やされた費用はまったく無駄だったということになる。率直に言えば、政治家の無駄遣いである。世間を騒がせ、年寄りを心配させ、そのうえ時間と国家の金を浪費して、はたして国会議員は立つ瀬があるのかと問いたい。

 時間はかかるかも知れないが、国民の総意で政治家にとっては黙っていても当選するシステムで庇護されている「世襲制度」を廃止することである。そして、一旦役人になれば墓場まで恵まれている役人の役得をすべてなくすことである。

2008年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com