キャスターだった久米宏が久しぶりにTVに登場した。銘打って「経済スペシャル・新日本人現る」という、一風変わった番組だった。最近の若者があまりお金を使わないことを検証しようというのが、その狙いだった。彼らの徹底ぶりには、物づくりの話題に上がったことがある、岡野工業の岡野社長が呆れたくらいである。岡野さんは現在75歳で若いときは貯金なんかまったくなかったという。それが、いまの若者は、酒は飲まない、旅行はしない、車は買わない、つまり物を買わずにチマチマと貯金するということらしい。
以前から思っていたが、若者に限らず、何となく目的もなく、他人と接触しないで自分の世界に引き籠っている人たちは、多分これまでの成長過程にしろ、仕事にしろ、あまり汗を流すような経験をしてこなかったのではないだろうか。さらに言えば、そういう肉体的にタフな事態にぶち当たると逃げてしまうような人たちではないかと考えてしまう。世襲政治家なんかその典型である。岡野さんがこんな生き方は嫌だ、人生がもったいないと言っていたが、理解できる。
さて、アメリカ大統領選民主党予備選の行方が、オバマ氏優位のままだった。ところが、1月に行われたフロリダ州とミシガン州の投票が、規定日以前に行われたことから無効と判断されていて、その2州で勝っていたクリントン陣営はその判断を取り消し、正式に代議員数追加を認めるよう求めていた。今日その採決が下された。それによると、獲得代議員数全体の半数を勝ったクリントン氏へ加えるという判定で、クリントン氏としては受け入れがたい結果となった。クリントン支持者の中には、11月の大統領本選では、民主党に投票しないと広言している人もいる。こうなると共和党に勝ち目はないと見られていた本選挙で、ひょっとすると共和党候補者マケイン氏が予想を覆して勝利を握る可能性も排除できない。民主主義の権化であるアメリカのシステムは明快ではあるが、その一方で、やはり中にはトラブルがある。しかし、いまの流れだと勝負の帰趨は決まったような感がある。