かなり自分の歯が少なくなっているが、さらに前歯が1本欠けただけでこんなに不都合になるとは思っもいなかった。歯質があまり良くなく、かなり抜けてしまって入れ歯に頼っている状態だし、今日お世話になった歯科医院はもうかれこれ30年以上も世話になっている歯科医なので、すべてお任せだ。先週金曜日に初めて接ぎ歯が折れて接着してもらった。それがすぐはがれて、また今日接いでもらった。ところが夕食時にまたはがれた。磁石を使用する処置前のワンポイント治療だが、これが厄介である。明日にもまた歯科医に連絡をとってもっと長持ちする処置をしてもらおうと思っている。
駒沢大の2時間の講座はいずれも良かった。菱山郁朗講師はエドワード・マローとジョセフ・マッカーシーについて映像を交えて分かりやすく説明してくれた。マッカーシーについては、赤狩りの右翼米上院議員として戦後マッカーシズム旋風が吹き荒れ、日本人の成人なら誰もが知っている人物だが、マローが報道の真実で議論をぶつけ、赤狩りという村八分状態を壊滅させたということから、アメリカ放送界でもマローが主宰した番組‘See it now’は、モローともども後世に伝えられる名報道番組と言われているらしい。エドワード・モローについては寡聞にして知らなかった。
共同通信出身の片山正彦講師からは、通信社の歴史と現在の通信2社の変遷を話された。現在の時事通信と共同通信の変遷の歴史から電通が生まれてきた経緯や、低落傾向の通信社、時事通信と共同通信両社が揃って2003年に自社ビルを建てた玉手箱の内情も聞けて、納得がいった。
もうひとつ興味深い話は、マス・メディアは現場主義優先を意識しているが、アメリカでAPやUPIに取って替わり台頭してきたブルームバーグは、カナダ・ケベック州における独立是非住民投票で、現場へ足を踏み込まなかったにも拘らず、他の通信社とは反対の予測を立て、その通り「独立派が敗れる」を的中させたのは、株式市場の値動きを見て結論を出したからである。つまりいわゆる「現場の声」ではなかった。だが、株式市場は、間接的に現場の実態を集約したもので、選挙結果について言えば、「広義の現場」ではないかという考え方は、面白い見方だと思った。
いずれにしろこの駒沢大学マスコミ研究所の公開講座は、マスコミに関心を抱いている人々にとっては実に的を射た企画である。