395.2008年6月12日(木) 福田首相、衆議院では内閣信任決議

 朝から時折激しい雨が降っていた。気温も低い。6月に入ってこの寒さは少し異常である。一方、ニューヨークでは異常なくらいに暑く、すでに連日35℃を超えている。改めてこの世界的な気象異変は、地球温暖化が多分に影響していることを窺わせる。

 昨日参議院で福田首相問責決議案が可決された。この参議院の問責決議案に対して自民党と公明党は対抗手段として、衆議院では内閣信任決議案を賛成多数により可決した。予想通りである。これによって自民党は、「憲法上首相の選任権は衆議院にある」を錦の御旗に、福田首相を適任と看做してこのまま内閣を継続する。いまや法案提出も山積みで、首相交代などをやって時間を浪費している場合ではないが、与野党の腹の探りあいで相変わらずの国会ドタバタ騒動である。国会の権威の失墜は歯止めがかからない。

 さて、今日の多摩大講座は、講師がオウム事件で名を売った、江川詔子さんだった。先週明石康講師の質疑応答の際、あまりにも煩い学生の私語に対して、ご意見番の蛮声一喝効果が表れたのか、割合静かだった。江川講師の講義は「新聞の読み方」だったが、ニュース・ソースについて注意点、留意事項を分かりやすく話してくれた。その中で、いくつか参考になったのは、①事象に対して視点が変われば情報も変わる、②マス・メディアを通じて最も求められているのは「分かりやすさ」、③情報源は常に確認する、ほかである。②については、マス・メディアはすぐ二元論とか、対決構造へ導きがちであるとの話が面白く興味を持った。つまり、話にアクセントをつけて煽るために、白か黒か、YES or NO、善か悪か、となりがちで、その典型として山口県光市の母子殺人事件の原告と弁護団の対立の例を話された。江川講師はニコニコしながら、時間いっぱいまで話し続けた。今日の講義なら内容がハイレベルで分からないと嘆いていた、多摩大1年生にも理解できるのではないだろうか。

 今日中国・四川省大地震発生以来1ヶ月目になった。中国側の発表によれば、死者6万9千人、行方不明者1万7千人、被災者8百万人というのだからすごい。8百万人と言えば、オーストリアの人口にほぼ匹敵する。現地では未だに余震があり、ダムの決壊を恐れて住民は安全な場所へ避難したが、生活設計はまったく立たないようだ。チベット事件以来中国政府はことさら外国のメディアを意識して、従来には見られなかったくらい外国メディアに対して情報公開やら、被災地視察を認めていたが、ここへきて突然閉鎖的な対応をとるようになった。やはり本質は閉鎖社会であることが分かる。恐らく中国政府にとって都合の悪い事態が進捗しているのだろう。私の勘では、被災地近くの核関連施設に放射能漏れなどがあるのではないかと外国記者団に疑われ、挙句に騒がれることが心配になってきたのかも知れない。実際、核で騒ぎにならなければよいのだが、少々気にかかる。

2008年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com