日朝会談について昨日以上のシークレット情報は公表されなかった。朝刊にも目新しい解説記事は載っていない。北朝鮮がどの程度譲歩して、どれだけ日本国民を納得させる実利的材料を提供することができるかということにつきる。それが、仮に拉致被害者家族を100%満足させるものでないとしても、6カ国協議の中で関係国から理解を得られ日本としての立場を主張できるなら、それも日本としては充分受け入れ可能として検討すべきであろう。しかし、何と言っても交渉相手国が、これまで散々手古摺らされた北朝鮮だけに、これからまとまるまで一筋縄ではいかないのではないかと思う。
午前中に東北地方で大きな地震があった。「平成20年岩手・宮城内陸地震」と名づけられた地震は、「マグニチュード7.2」だった。つい1ヶ月前の中国・四川大地震があまりにも甚大な被災者を出したので、ショックの度合いはそれほどでもないが、「M 7.2」というのは最近の国内地震の中でも、阪神・淡路淡路大震災と2000年に起きた鳥取県西部地震の「M 7.3」に次ぐ規模である。
死者は現時点では6人だが、土砂の下敷きになっている人の救助が遅れているので、これから更に増えそうである。
今度の地震で初めて気が付いたのは、被災地の地勢を空から鳥瞰的に見ると山岳地帯がどかんと崩壊して落ち込んだことで、こんなことはこれまでの地震ではなかったのではないかと思う。そのため、山間部を切り開いて走っている舗装道路や橋が途中で所々落ちて想像できないくらいの寸断ぶりである。専門家が、近くのダムに貯まった水が地下水となって山の地下へ浸水し、地盤を緩める結果になったのではないかと話していた。考えてみれば当たり前のことだが、あまり考えられることはなかった。それは、いままで日本の地震が平野部か沿海部で起こり、山間部で地震があっても大きな被害がなかったからではないかと思う。しかし、そんな話は最早通用しなくなった。日本では地震学が国際的にも進んでいると見られていたが、地震学会としては、こんな基本的なことがないがしろにされていて、少々恥ずかしいのではないのだろうか。