イランで誘拐されていた横浜国大生が8ヶ月ぶりに解放された。自由になったから良かったものの、この大学生の場合はいささか無用心に過ぎた。彼は昨年10月イラン南東部のパキスタン国境近くの古い町で拉致された。自分自身40年前にヨルダンで軍隊に身柄を拘束された苦い経験を鑑みるとあまり偉そうなコメントを言う資格はないが、それにしてもこんな危険な地帯にのこのこひとりで出かけて行ったのは、ちょっと無謀で軽率だったと思う。4年前イラクでボランティア活動をやっていて拉致された高遠さんら4人連れとは事情が違う。それでも、あの当時相当非難されたのは、あまり社会活動に理解のない政治家が一斉に声を上げたからである。しかし、今度の学生の場合は、高遠さんほどの強い意思や信念があってボランティア活動をやっていたようには聞いていない。無防備のまま簡単にゲリラの罠にはまった感じだった。ともかく無事解放されて良かったと思う。下衆の勘ぐりで不謹慎であるが、学生の口からどんな話が出てくるか楽しみではある。
昨日の地震による死者が9人に増えた。今日の新聞やテレビで見る被災地の上空写真は、これまでの地震で紹介されたものとは大分違う。広域的に土地が沈み、山崩れがあり、山肌には亀裂が見えて、広い地域で土地がやられている。しばらく土地が不安定で当分立ち入ることもできないだろう。今後も警戒を怠れないようだ。
昨夕杉田士郎くんが電話で「慶38」第3号の発行について考え方を話し、意見を聞いてきた。取り敢えずその気になったのなら、ぜひやってみてはどうかと激励したところだ。第1号を発行して10年になる。3千部刷ったらしいが、中々苦労もされたようで、中には印刷物を同級生に送ったら文句を言ってきたのもいたというから、人それぞれだと思う。それにもめげず2号の発行もやり遂げた。プロが見れば、とても完全とはいえまいが、制約のある中でよくぞ2号まで発行されたと杉田くんの労には頭が下がる。関係者にとっては興味のある雑誌だと思う。昭和38年に慶応を卒業した同級生を対象にした小冊子で、具体的な計画はこれからであるが、何とか3号までは発行してもらいたいものだ。もちろん寄稿するし、友人にも広く呼びかけて多くの同級生が寄稿するよう誘ってみたいと思っている。