少しずつ「岩手・宮城内陸地震」の惨状が明らかになってきた。いままでにはない山岳地帯の惨状で、空から見る現地の崩壊ぶりは痛ましい。これまで緑一色だった被災地が山崩れによって土が露出して、まるでトルコのカッパドキアのようになっている。山間部のために人的被害はそれほど大きくないが、それでも今日も死者が増え、現時点で10名が亡くなり、依然として12名が行方不明である。
驚くのは、山の地形を変えてしまうほどの山崩れの発生である。山の中を走る舗装道路は寸断され、その先が陥没して道路がなくなっていることである。山を周回する道路が全体的に300mほど下方へずれて落ちているというのだから、すごい地すべり現象である。どうしてこんな地震が起こってしまったのか。
今日は専門家の東大教授や東北大教授がテレビでその原因を分析していた。もともと被災地は火山地帯にあり、岩石が弱いところへ隣のダム貯水湖の水の浸食によって徐々に崖が崩れ、それが地殻の変動によって一気に崩れた。
地域をつないでいる道路が寸断されたために、移動もままならない。高齢者が多く、またまた高齢者の生活にとって何かにつけて厳しい選択を迫られそうだ。農業をやっていた老夫婦が、最後の最後になってやり直しができない目に遭った、と自らの不運を嘆いているのが痛ましく印象に残った。
横浜国立大生が昨日解放されたが、早速父親がテヘランへ飛びイラン側から引き渡された息子と8ヶ月ぶりの対面をした。小野寺外務副大臣と迎えに行った父親に挟まれて記者会見に臨んだ学生は、お礼と感謝の言葉以外余計な口はきかなかった。個人的な感想を言えば、事前に相当言い含められているなと感じた。帰国後に週刊誌をはじめとしてマス・メディアの追求からうまく逃れることができるか。帰国してからどれだけ本当のことをしゃべってくれるか。あまり期待できないかも知れない。学生は明日帰国する。