ここ数年訪日外国人旅行者の数が増え続け、そのお陰で今では国家財政も大いに潤っている。私が旅行会社で海外旅行に携わり、時に外国人旅行に関わっていた当時には考えられないほどの変わりようである。
今から約35年前私が中心になって箱根地区への外国人旅行者向きパック商品を開発し、販売した。自画自賛するようだが、商品のクオリティは高く、他の旅行会社にはないユニークな内容で絶対売れると自信たっぷりだった。実際AMEX海外版広報誌や「夕刊フジ」にも紹介され、当時の国際観光振興会(JNTO)やJTBからも高く評価された。だが、残念ながらまだインバウンド業の時代環境が充分整っていなかった。企画した1981年当時の訪日外国人数はやっと160万人程度であり、昨年の訪日外国人の数1973万人に比べても1割にも満たなかった。結局商品価値は高くても市場が付いて来なかった。苦労して商品発売まで到達しながら、傑出した商品は売れ残った。悔しかった。
近年箱根地区に外国人も押し寄せるようになった。ひとつには、全体的にインバウンド業の底上げもあるが、富士山が世界遺産に登録され、箱根と富士山を一体化し、富士山を眺められる絶好のデスティネーションとして箱根を訪れる外国人観光客が増えたことが大きい。
4月に社友会で小田急電鉄社長に35年前の外国人向箱根パック商品の話をした時、関心を示してもらったので、その後資料を送り再現はできないかと提言した。今日その件で秘書課長からグループ会社としてのインバウンド業、並びにパック旅行商品について説明を受けた。つまり今グループ全体でフリーパスという箱根地区のフリーチケットの外国人版に力を入れ販促活動しているということだった。私の提言も考慮に入れてもらっているようなので、いずれ両方のメリットを活かした商品を企画するようにしたいとの話だった。
手前味噌だが、私が開発したパック商品の方が勝れていると自負しているが、会社の事情もあるので、しばらくは全体として見守って会社のインバウンドツアーがどう進展していくのかを注視していきたいと考えている。
まあこの次の著書の中でも紹介することを検討しているが、私の企画したパック商品についてインバウンド業の流れをそっと見守っていきたいと考えている。