期待していたグアンタナモ米軍基地近くへの立ち寄りはならなかった。キューバ最東端州のグアンタナモへ行き、市内では時間を過ごすことができたが、残念ながら基地には近寄れず、基地を見張らせる展望台があると聞いて行ってみたが、完全に期待は裏切られた。丘の上の展望台は櫓が組まれていて、そこから望めば遠望ではあるが、米軍基地が見えるかと思ったが、半島の影になっていて見ることができなかった。展望台ではそこのガイドがアルバムを見せながら基地について説明してくれたが、こんな展望台ではいくら展望台と称していても本来の目的が果たせないので、精一杯熱心に説明してくれたところで納得できるものではない。
話によると基地内はひとつの街が形成されていて中には刑務所まである。イラク戦争中にはイラク政府軍の捕虜をこの中に押し込んで虐待して、その画像が世界中に流されショックを与えた所である。これによってアメリカ軍兵士らの手荒い行動が表沙汰になり問題になった刑務所がある場所だ。ここに住む軍人、及び軍属、並びに家族はここから一歩も外へ出ないという。これなら沖縄駐留米軍人が沖縄で度々起こすような不祥事は起こらない。日本政府もひとつ沖縄米軍人に対して同じような行動を求めてはいかがであろうか。いずれにせよ、グアンタナモ米軍基地はアメリカとキューバの間に棘のように刺さった施設である。何とか見てみたいとは思っていたが、やはり昨日知らされたように駄目だった。
さて、その後は今日の宿泊地、コロンブスが上陸し、最初の首都だったバラコラへ向かって途中ジャングルの中のレストランで昼食をいただいたが、実に開放的で素朴な感じの場所で、食事自体もキューバの地元料理をいただいた。何となく一度訪れたことがあるボルネオのコタキナバルのオラン・ウータン園に似た雰囲気で、どこかで猿が我々を観察しているのではないかと思ったくらいである。
このところハード・スケジュールにやや疲れ気味で、私の場合腰を痛めてしまったこともある。今朝もベッドから起き上がる際に痛みと闘って漸く普通に歩けるようになった。何とかグループに付いているが、旅行中の疲れはきつい。今日のホテルは「ポルト・サント」といってコテージ風の建物に分かれたリゾート・ホテルである。しかし、バスタブがなく、ウォッシュ・タオルの備えがなく、写真で見るプール付きの洒落た外観とは距離がある。それでも3つ星である。海岸まで降りてみる。狭いビーチなので、これではリゾート・ビーチ・ホテルというには看板に偽りありとなる。これではビーチより利用者はプールに気持ちが行ってしまうのではないか。