3391.2016年8月25日(木) イタリアとビルマで大地震発生

 昨日イタリアの中部都市ペルージャ近郊の山間地帯アマトリーチェでM6.2の地震があり今日までに約250名の死者を生んだ。まだ崩壊した建物に押しつぶされた人が大勢いるようだから、犠牲者はまだまだ増えそうだ。

 それから少し遅れてビルマ中部のパガン周辺でM6.8の地震が起きてパガン名物のパゴダ・仏塔が多数倒壊した。今のところ犠牲者はイタリアほど多くは報告されていないが、今後状況がはっきりするに連れてその数も増えてくるだろう。これまでに24回ほどビルマを訪れているが、パガンも度々訪れた。このパガン平原一帯に建ち並ぶ、仏塔が空気の澄んだ広い地域に広がっている風景ほど心を打たれる印象的な情景はない。12世紀前後に栄えたパガン王朝時代に建立された仏教遺跡が素晴らしい。なんでも今度の地震で2,500基以上あるパゴダの内170基が倒壊したそうだ。残念でならない。ビルマでは漸くユネスコ世界委員会に加入して、一昨年初めて国内で「ピュー古代遺跡群」が世界遺産に登録されたが、残念ながら本命視されていたパガンは認められなかった。いずれ数年内には世界遺産として登録されるようになるだろう。それだけに事前に傷がつくのが惜しくてならない。

 パガンの特に素晴らしいのは、朝日の昇る時間帯と夕暮れ時のポエティックな光景は思わず息を呑むほどである。

 どうにも自然現象によって破壊される貴重な伝統文化や遺跡は、現状では救いようがない。だが、これらの貴重な遺産を無駄な戦争とか、人種・民族の対立によってむざむざ破壊してしまうのは罪悪である。すでにタリバンによってアフガニスタンのバーミヤン渓谷の巨大な仏像が人為的に破壊されたり、シリア国内にある人類の宝である古代遺跡がISなどのテロリストによって意図的に破壊されたが、これらの悪行こそ許容し難い。

 北朝鮮による恫喝の膨張も益々勢い付いている。昨日北朝鮮が今日の先軍節に先立ち、潜水艦から核兵器搭載が想定される弾道ミサイル(SLBM)1発を発射した。海中から打ち上げたミサイルは約500㎞離れた日本の防空識別圏内に落下した。北朝鮮にもこれまでと同様に言い分はあるが、すべて身勝手なものである。今度も米韓合同訓練と韓国に配備される中朝を射程内に睨んだTHAADシステムに強く反対するとしている。こうして北朝鮮の解決策のない軍事増強政策はめくら道に入り込んでいく。

 さて、作家・真継伸彦氏が亡くなられた。84歳である。最近の作家活動はほとんど伝えられなかったので、詳しく知らなかった。だが、真継氏からは若い頃随分刺激を受けた。まだ新米サラリーマンだった半世紀前、当時時代の寵児だった高橋和己のヒット作品「憂鬱なる党派」、そして「新しき長城」を読んだその勢いで真継氏の「光る声」を読んだ。あの頃は私も何事にも一直線だった。あれから随分時間が経った。今では私も年齢を重ねて多少妥協するようになったのではないかと思っている。

 真継氏のご冥福を心よりお祈り致したい。

2016年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com