416.2008年7月3日(木) 堀田力氏提唱の「日本の少子高齢化対策」

 今日の多摩大学講座では、弁護士であり、財団法人さわやか福祉財団理事長でもある堀田力講師が、「地球規模で日本の少子高齢化を解析する」と題して持論を展開された。

 ベテラン講師らしく、全体の話のまとめ方や入口から結論までの流れをユニークな論旨に合せて、よどみなく話された。時にはジョークも交えて分かりやすく、愉しく聞くことができた。

 堀田講師の主張は、次のように要約されるのではないかと思う。

  ①昔は動物の中で人間だけは平均10人前後の子どもを産んだ。しかし、成人までは中々育たない。

  ②産業革命以後、技術の進歩もあり産児制限を含めて全体的に少子化となり、高齢化社会となった。先進諸国はほとんど同じ道を辿った。

  ③国家は国民を養い守るために領土を拡大したが、それが戦争である。

  ④少子化→領土侵略の動機消滅→戦争なくなる。

  ⑤民主主義国の勃興→国家間に壁がなくなる。→EU発足・米加の国境

  ⑥アジア・アフリカ諸国は医学、技術の進歩にも関わらず、多産の傾向は続いている。

  ⑦地球上に人類を養える限界は、70~90億人

  ⑧日本には急激に少子化がやってきた。

  ⑨人口構成上現在の逆ピラミッド型をせめて筒型にする。

 以上から、日本の人口構成のゆがみを筒型にするためには、日本人に偏見はあるが、アジア諸国から移民の受け入れを検討すべきであり、その際アジア人の受け入れに際して、日本人になることを希望する人を「差別=選択」化して受け入れる。受け入れ後は、「差別」は許されない。

 概略以上のような話をされた。外国人を「差別」して受け入れるという点については、反論もあろうし、講師自身も多少ひっかかるようで、欧米では受け入れに差別化せず、受け入れ後に差別化してそれこそが問題になっているといい、受け入れ後の差別は絶対許されないと力説していた。

 それにしても中々斬新な発想で、移民受け入れには「差別」を考慮すべきとの大胆な発想には戸惑いもあり、若干消化不良気味だったが、有力な提言として今後検討されるべきであると思う。今日の講座では、多くのことを考えさせられた。それにしても堀田先生はユニークな方である。

2008年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com