今日も福岡市内において文化鑑賞で時間を費やした。久しぶりに国立九州博物館へ行こうと思っていたところ、福岡市博物館で先月末から8月いっぱい「吉村作治の新発見!エジプト展」をやっていることに気づいた。昨日は美術館、今日は博物館でいずれも展示品は、私にとって興味のあるもので、東京でもあまり見られない。まさに千載一遇のチャンスである。早速西鉄バスで博物館へ駆けつける。昨日ほどではないが、かなりの見学者がいた。やはり昨日同様若い人たちの姿は少ない。
吉村先生の昨年秋のミイラ新発見については、メディアでも報道された。ダシュフールで発掘された親子のミイラ(展示は一体だけ)と、同じ場所から夫婦の棺おけが発掘され、棺おけのレプリカが展示されていた。ミイラを作る工程を模型で展示していたが、古代エジプト時代の医療技術のレベルの高さには驚いた。
ダシュフールは、屈折ピラミッドのあるサッカラの近くで、一度訪れたことがあるので、何となく雰囲気は分るが、それにしても最近になってこの周辺で後から後から古代の遺跡、遺品が発見されるのは、何か理由があるのだろうか。何でも割合最近になって、エジプトで発掘された遺跡類は、海外へ持ち出さないという取り決めができたそうで、特例を除きエジプトの古代遺品は現地で見学するより方法がない。今回も吉村教授が発掘したことから、エジプト考古学当局も格別の詮議により、福岡で開催、展示されることになったようだ。
しかし、何と言っても対象物が大きすぎるので、簡単に持ち運びできない。それが展示作品数が少なくなる理由であろう。前日の浮世絵に比べると資料の点数では遥かに劣勢だったが、それでもまあ満足すべきものだったと思う。トランシーバー・ガイドが吉村教授自身の声だったのが、お愛嬌である。
考古学は面白い。これに関わっている人が羨ましい。来世生まれ変わったら考古学者になろうと思っているので、とりわけエジプト古代王朝の遺跡には興味が尽きない。JAPAN NOW観光情報協会の観光立国セミナーに参加目的で福岡を訪れたが、セミナーは覗く機会がなく、むしろ自由に浮世絵とか、エジプトの遺跡を見学できて、ひょうたんから駒の思いである。
さて、安売り航空券制度も随分変わった。今回はJTBの航空券とホテルがセットされたお得なパックで出かけた。安い航空券だと、従来は往復とも同じ航空会社利用が常識だったが、初めて往路全日空、復路日航で手配されたものだった。これは完全に航空会社が戦略として打ち出した裏の手だ。こうなるともう正規運賃を支払って航空券を購入する利用者がいなくなるのではないか。加えて、全日空のチェックインと日航のそれのシステムが違い、福岡空港では係員に教えを受けながら「チケットレス・サービス」を受けるという、元エージェントとしては少々恥ずかしい体験をさせられた。