433.2008年7月20日(日) ガソリン高騰に漁師が音を上げている。

 ガソリン代の高騰が世界的な問題になり、洞爺湖サミットG8でも当然議題になるかと思いきやほんのお印程度のトークで空振りに終わった。ガソリンの高騰で今一番困っているのは、漁業関係者と漁師だそうである。毎日出漁するが、とても漁獲量はガソリン代に見合わないという。出漁すればするだけ赤字になる。出漁しても魚が獲れる様子を見てせっかく出た漁だが、損益分岐点を判断して途中で漁を打ち切りにする厳しいケースもあるという。

 TVニュース解説でも、漁業の仕組み、魚の価格決定の仕組みについて説明していた。生鮮食料品や一般の商品に比べて、コストが小売価格に反映しにくいのが、魚の値段だという。漁師にとっては泣き所らしい。小売業者がほとんど価格を決定する立場にいるので、生産者である漁業関係者にとっては、コスト高がそのまま経営に直結する。消費者が価格を決定すると言えば、聞こえはいいが、大量仕入れで価格決定の生殺与奪の権力を握っているのは、スーパー等の大型小売店である。

 ヨーロッパでも漁夫の反乱があった。EUでは保証金らしきもので漁業関係者に一部補填することになった。日本では、保証金の話は政府内に持ち上がったが、結局うやむやになった。

 食糧自給化が話題になるが、魚の国内自給率も低く5割だそうである。日本人は、魚を選んで食べている。しかも年々贅沢になるので、高級魚を食べる傾向がある。遂には、海に囲まれた国でありながら、栄養価が高く人骨にも栄養分をもたらし、丈夫な骨格を作るご近所を泳いでいる魚を食するより、海外からマグロのような高級魚を輸入しグルメと称して味わうのが、現在日本の食卓の構図になっている。

 これは農林水産省の所管であるが、この役所は昔から食糧問題を解決しようとの気持ちがまったくないので、これから先が心配である。今の若林大臣は入閣要請があった時、最も遠慮したかったケチのついた大臣の椅子だと言ったくらいである。こんな大臣の下では、健康に関わる重要課題はとても解決できないだろう。

2008年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com