明日30日は、小田実さんの一周忌である。早いものだ。今朝未明NHKのTV番組「小田実・遺す言葉」がリバイバル放映された。1時間半の番組だが、また最後まで観てしまった。昨年放映されたばかりなので、まだ生々しい記憶として頭の中に残っている。番組の冒頭8月4日告別式後の追悼デモ行進が写った。よく見てみたが、私自身はその画面に登場しなかった。朝日新聞社会面に掲載された私が写っている写真は、行進の中で前へ出てきたデモ後半のものなのだろう。
小田さんについては、一周忌が過ぎて小田さんを知る人から小田さんを取り上げた書物がかなり書かれるようだ。誰がどんなものを書かれるのか、楽しみに待ちたいと思う。
高校時代の同級生・呉忠士くんと自由が丘で昼食をともにした。彼はブラジルに11年間も駐在して、三井アルミニウムのブラジルにおけるアルミ事業のレール敷設のために頑張っていたようだ。ブラジル時代の話をいろいろ聞いたが、意外だったのはバブル当時の日本人のマナーは酷かったと感じたそうだ。それは本来日本人が持っているはずのエチケットを一時的に忘れているのではないかと、乗り物内の日本人の行動を見て思ったそうだ。われわれ日本国内に住んでいると気がつかない。また、日本人の他人を気遣う思いやりが、ブラジル人に比べてもとても足りないと感じた。特に、交差点で信号待ちの老人が横断するときに、誰も支えてあげようとする若い人を見ないことは、ブラジルだったら考えられないとも言っていた。
今やバブルを引き摺ったまま世の中が殺伐として、他人にお構いなし、傍若無人、他人迷惑などが当たり前のようになっている。もうどうにもならないと諦めの空気さえある。しかし、現実に突然何の縁も所縁もない他人からナイフを突きつけられる可能性がないわけではない。ならば、やはり対策を講じて、できるだけ未然にに悲惨な事件を防ぐように考えなければならない。
昨日JR平塚駅構内で、わめきながらナイフを振り回し、男性7人を怪我させた女性が捕まったと思ったら、今日は愛知県内の中学校内に卒業生がナイフを持って押しかけ、元担任教師を刺して重傷を負わせたという殺伐とした社会になってきた。連鎖反応であるかも知れないが、日本の社会としてどうすれば、こういう事件を防止することができるのかを、そろそろ国を挙げて、真剣に考えるべきときが来ているのではないだろうか。