460.2008年8月16日(土) ロシアとグルジアの停戦は実現するか?

 ロシア・グルジアの戦争が解決する見通しと可能性が薄くなってきた。ロシアが一向に軍隊を撤退させようとの気がないからである。アメリカが烈火の如く怒っているが、EUは割合冷静である。アメリカやEUは、まず戦闘が始まったときの状態に戻すことを合意事項に入れた。ところが、ロシアはその状態だとサアカシビリ・グルジア大統領に不満を抱く南オセチア自治区の住民が弾圧され、民族浄化されると称して、進軍した軍隊をそのまま駐屯させたままだ。

 これまでにも停戦合意、合意と伝えられながら、どうも口約束だけなのか、或いは合意文書に署名したのか、分りにくかったが、署名まではしていなかったようだ。グルジアはアメリカに説得され、「停戦と軍の撤退」を盛り込んだ和平六原則「和平合意文書」に署名して、アメリカのライス国務長官に提出した。ライス長官はロシアにも同じく署名を要求しているが、むしろ新たな軍事作戦を展開し出したもようだ。

 ロシアには、アメリカの口出しや仲介に簡単に応じられない強い決意がある。このところ、旧社会主義国のロシア離れに歯止めがかからないところへ、先日アメリカのチェコへの核弾道弾配備とか、同じようにポーランドへのミサイル配備とか、ロシアにとっては仮想敵国と見られて腹の虫が収まらない。アメリカの仕打ちに対する不満が積もり積もった私怨が、この機に乗じて親ロ派の多い南オセチア自治区をロシアの衛星国として取り込んでしまおうと思っているに違いない。同じように親ロ住民の多い、アブハジア自治区も、グルジアから独立させてロシアの同盟国として、ロシアは勢力拡大を図っていく狙いがある。しかし、今のままロシアが戦線を拡大させても、国際世論はロシアの行動を容認しないだろう。さあ、ロシアはこれからどう出るか。今は、冷静で両国の仲介役を務めている、フランスやドイツもいつまでも黙って見ていない。

 さて、昨日の北京五輪は、柔道男子の100kg超級で、石井慧選手が見事「金」を獲得した。今日は、女子レスリングで期待通り吉田沙保里選手が連覇した。そのほかにも銀、銅メダルを獲った選手もいて、前回ほどではないにせよ、結構日本選手も頑張っている。

 夜遅く23:30(日本時間)に行われた陸上男子100m決勝を期待していた。準決勝で、世界一トリオと言われたジャマイカのパウエル、ボルト、アメリカのゲイの内、ゲイが決勝へ残れず、ジャマイカ同士の同士討ちとなった。結果として若いボルトの圧勝だった。9.69秒の世界新、しかも最後は横を向いて流しながらテープを切るゴールインだった。こんなに強い短距離ランナーは見たことがない。度肝を抜かれたといったらいいだろうか。世界には凄い選手がいるものだとつくづく思う。

 それにしても、開会して9日目になるが、体重制の競技が続いているせいか、ヨーロッパ勢にやや元気がなく、アジアに勢いがある。中国のメダル獲得数はダントツ・トップで、次いでアメリカ、韓国と続き、日本は7位である。かつてメダル獲得争いをしていた旧ソ連、チェコ、ポーランド等の旧社会主義国はどうしたのか。

2008年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com