467.2008年8月23日(土) この世は何もかも魑魅魍魎だ。

 世界は一見して大きな争いはないように見えていながら、その実小競り合いや、表面的には分らない泥沼紛争が増えてきた。ロシア・グルジア戦争もそのひとつの典型である。ロシアがグルジア領土から撤退すると繰り返し言いながら、一向に実行に移そうとしない。前日までロシアの国旗を立てていた戦車が、国連平和維持軍の旗に変えているだけなのだ。これでは法螺を吹いているだけになる。

 一昨日ダライ・ラマ14世がチベット自治区内で、中国軍によりチベット人が大量殺戮されたと公表したニュースについてもその後詳細が伝えられない。中国外務省は、その話を聞いたことがないとまで言っている。まったく魑魅魍魎である。

 さて、盛り上がった北京オリンピックも明日が閉会式となった。昨日は見る機会がなかったが、男子400mリレーで日本はめでたく銅メダルを獲得した。決勝に進んだ各国チームのタイムから予想すれば、不可能ではなかったが、トラック種目では、1928年アムステルダム大会の女子800mで銀メダリストとなった人見絹枝選手以来、実に80年ぶりである。トラック種目は、今ではほとんど黒人選手の独壇場となり、アジアの選手にはほとんどメダル獲得の可能性がないと思っていただけに、嬉しい誤算であり、よくやったと思う。運もついていた。アテネ大会の金、銀、銅の3チームがバトン・タッチミスで失格したし、イギリスはバトン・タッチゾーンを越えて失格になった。早く走ること自体が重要であることは言うまでもないが、百にひとつのミスを防ぐバトンタッチ練習を地道にやってきた日本の努力が、この期に及んで報われたとも言えよう。しかし、ブラジル、カナダやドイツチームにも競い勝った力は並のものではない。その実力と勝利を称えてあげたい。

 それに比べると期待されていた野球はどうだっただろう。昨日準決勝で韓国に逆転負けした星野ジャパンは、今日の3位決定戦で、アメリカにも逆転負けで予選から数えると4勝5敗の負け越し結果となり、開会前の意気込みの割りには力を発揮できなかった。攻撃力が不発だったことと、投手の起用法に首を傾げる点があったが、一番の問題は、油断とか気の緩みにあったのではないか。例えば、G.G.佐藤選手のように、凡飛を2度も落球するなんて普通では考えられない。心構えから改めなければ、同じように覇権のかかった大会では勝てる筈がない。幸か不幸か次回ロンドン大会から野球が競技種目からなくなる。こんな背景もあっただろうか。それにしては、同じくロンドン大会から消えるソフトボールは、堂々金メダルを獲得しているではないか。

 それにしても韓国が最後の野球で金メダルを獲ったが、韓国チームは力強かったし、去年アジア大会で敗れてから反省と、再建、国際試合対策をしっかりやっていた。気持ちのうえで、すでに韓国に負けていた。

 もうひとつある。男子マラソンの大崎悟史選手がレース前日になって怪我のため出場辞退を発表した。陸連の甘ちゃんが、女子マラソンに続いて、やれやれまたやってくれたかと呆れる。

2008年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com