NHK番組「クローズアップ現代」で「クラウド」という一種のスーパーコンピューターを紹介していた。コンピューターが雲の中にあるということから「クラウド」と命名されたらしい。アメリカの「セイフ・フォース」という企業がソフトを完璧に備えた超能力コンピューターを抱えていて、契約者のコンピューターから送られてくる情報を受け処理して半製品を製品化して、それを契約者へ送り返すというものである。世界中から情報が毎日億を越える単位で送られて、それを顧客の要望に応えた形で資料として送り返す。つまり、個人が自分のコンピューターに備えたソフトをすべて、「セイフ・フォース」へ移し業務を委ねる。中小企業などでは、これを機能的に使っていて、かなり経費節約を図っているという。とうとうこういう時代になったのかと感慨を覚える。これなら会社の各PCはソフトを必要としない。入力するだけでクラウドから、必要な情報なり、計算書を送ってくる。この「セイフ・フォース」はグーグルとも手を組み出した。ソフトの帝王、マイクロソフトが乗り出してセイフ・フォースに戦いを挑み始めた。
しかし、いくつかの問題点もある。確かに経費は落とせるが、情報をクラウドへ送って情報が外へ洩れる心配はないのだろうか。クラウドへ払う費用がどのくらいか分らないが、自分たちでソフトを買う余力のない企業や、自分たちのためのソフトを開発する費用が生み出せない企業などは、確かに助かるだろう。だが、手作業だけの仕事になってしまって仕事への忠誠心とか、愛情のようなものがなくならないだろうか。ソフトなしなら各PCは高度なものでなくてもよく、画面とキーボードだけですむ。段々ロボット社会に近づいてきたように思う。クラウドなんて言葉も知らなかったが、これはPCを使うがIT社会の専門分野に入り込んでいないせいだろうと思う。
日常業務まで外注することになり、果たしてこのまま進歩していったら、現場でPCを使う人は思考能力も落ちてしまうのではないかと若干気になった。