アメリカ第44代大統領にバラク・オバマ民主党上院議員が選ばれた。長い選挙キャンペーンの末に、接戦との予想を覆し圧勝だった。各メディアが予想していた両候補の支持率の差は10%以内だったが、オバマ氏が全投票率の7割方を獲得した。オバマ氏の勝利は予想されていたこととは言え、金融危機をきっかけに流れが一気にオバマ・サイドへ傾いた。
ところで日本の反応はどうか。麻生首相が今夕ぶら下がりの記者会見で、オバマ次期大統領についてどう思うかと聞かれて、いかにも軽薄にして、ノー天気ぶりを曝け出した。曰く「日米間は過去50年以上に亘って同盟関係にあり、誰が大統領になろうとも従来の関係が影響を受けるものではない」。こういうナンセンスな言葉が総理大臣の口からすらすらと出てくるとは思いも寄らなかった。日米関係についてもオバマ次期大統領についてもまったく考えてもいないし、勉強もしていない。これでは日米同盟ではなく、アメリカとの従属関係が一層強固になるだけではないかと心配でならない。ばりばりの弁護士上がりで、弁舌逞しく頭もきれるバラク氏を向うにまわして、日本の麻生首相の脳みそで本当に大丈夫なのだろうか?
アルゼンチンのサッカー代表チームの監督にディエゴ・マラドーナが決まったとのニュースには、驚いたというより呆れはてた。マラドーナのような何をやり出すか分らないハチャメチャな男が、こともあろうにサッカー世界最強国のひとつである、アルゼンチンの代表監督に選出されるとは考えもしなかった。サッカーでは天才的なプレイを披露してくれたが、社会人としては物議を醸すパフォーマンスに流石のアルゼンチンの人々もさじを投げた人間である。実際アルゼンチン国内のネットでは、70%以上の「マラドーナ監督反対」論があったという。それもそうだろう。それを敢えて押し切っても強引に監督に押し上げたのは、特別の意図があるとしか思えない。ヤクザまがいのコワモテ手法である。麻薬、銃乱射、アメリカ・ワールドカップ出場停止、病的に太った体躯、等々折につけ問題児として話題になった元名選手だが、あまりにも引退後のゴシップが多すぎた。
しかし、どうも理解できないのは、誰もが認める破滅型の人間をチーム、組織のリーダーとして認め推挙する希望、期待、思惑、空気はどこから出てくるのだろうか。これも農耕民族の発想では及びもつかないラテン系の感情だろうか。尤もこれでアルゼンチン・サッカーチームの黄金時代がずっと続くなら文句はないのだろうが、それでも監督として何かをやらかしかねない。リーダーとしては最も不似合いな怪しい男である。