昨日夕食中にぽろっと入れ歯の歯のひとつが落ちてしまい不便なこと夥しい。だんだん自分の歯が失われていくのは、寂しく感じているが、こればかりはどうしょうもない。入れ歯であっても同じことで落ちるたびについ感傷的になる。今日はまずかかりつけの歯医者で治療してもらい、その足で小田急百貨店・山田相談役に会って、新著の販促活動をヘルプしてもらうことになった。百貨店内の三省堂書店に置いてもらえれば、かなりの販売が見込めるのではないかと思っている。前著でもそうしてもらったところ、大分売れ行きが良かったので2匹目のどじょうを狙ったところである。まだ、他の書店にもお願いするつもりだが、いずれにしろ何とか販売アップを期待したいところだ。
その前に新宿西口地下の東京都管理の催事スペースで古書展示会をやっていたので、つい覗いていたら読んでみたい古本が何冊かあったので、安いのを幸いに戦争関係書とゾルゲ事件関連書計5冊をまとめ買いした。
日本の政治、経済に画期的な不況対策の目玉が一向に機能しないが、自由主義経済の牙城であるアメリカですら、ついに政府がシテイ・グループへ資本注入を追加することになった。既存の分と併せてシティへの投入金額は4兆円を超えている。加えて、現在シティの抱えている不良資産(約29兆円)の生じる損失について、アメリカ政府は最大で約24兆円を負担するリスクを負うという。民間企業へ財政支援することにあれだけアレルギーを示していたアメリカ国民の声を抑えて、これだけ大胆な支援策を打ち出したのは、金融大手が破綻したらアメリカ経済に大きな傷跡を残すと判断したからだろう。それにしてもアメリカ政府の果敢な決意と行動である。
次いで、イギリスでは消費税を期限付きではあるが、17.5%から15%へ引き下げる。消費税の減収分を、高所得者の所得税の最高税率を現在の40%から45%にまで引き上げることによって補うという。ブラウン首相は、90年代の日本の景気後退局面での対策は遅すぎたと、日本政府が当時の経済対策に自画自賛しているのに対して極めて批判的で、このような積極的な経済対策を取り入れた。好感した市場は、直ちに反応した。ダウ平均とロンドン・シチーは一気に株価を上げた。
対する日本の東証は英米の株式市場に釣られて株価を上げた。具体的な術を打たなくても、他の先進諸国が前向きな対応をすれば日本も潤う。手を拱いていても他人が助けてくれる。日本経済はこういう情けない構図になってきた。その裏には、アメリカ政府がいずれ米国債を日本に引き受けさせる思惑があり、日本はその要請をひたすら怯えて待っているのである。いつも日本のやることは、後手に回り、自分の手を汚さない。苦労知らずの世襲政治家が育ってきた環境と酷似している。