現在リマ(ペルー)で開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席した麻生首相が、閉会に際して内外記者会見に臨んだ。しかし、まったく中身のない質疑には、がっかりした。一国の代表である総理大臣がこんなやりとりをやっているようではダメだと思った。当初ステートメントの形で会議の講評と成果を述べたが、所詮これはお付きの役人、秘書が作成した草稿だろう。問題は時間の関係で1人だけとの制約の中で、その1人の外人記者から受けた質問の一部始終である。記者の質問は、日本は北朝鮮の核問題にどう対処するのかと言うものだった。これに対して麻生首相の応答は、長くまわりくどい前置き説明をした後、北朝鮮の約束は口約束では信用出来ず、これからは文書による約束を取り付けたいというものだった。日本はアメリカとも打ち合わせながら、また6ヶ国協議の枠の中で解決を目指すという当たり障りのない答えをくどくどと述べていた。まったく核心に触れていない。質問した記者ももうこれ以上聞いてもダメだと思ったのだろうか、麻生首相が「いいですか?」と念押ししたことにイエスと応えたが、これ以上追求しても確たる返答をもらえないと思ったのだろう。首相の回答はあまりにも的外れではなかっただろうか。質問した記者もさぞがっかりしただろう。
どうして総理大臣がこの程度の返答しかできないのだろう。ことの本質について正面から応えていない。日本の首相の能力はまれに見る低レベルだと思うとショックである。こんなことでは、世界中から馬鹿にされる。こんな人に国を任せておいて大丈夫だろうか。どうせこの次の選挙で政権交代するだろうが、これではとても国政を任せられない。酷いものだ。
今日はキリスト教の列福式という聞きなれない式典が長崎で開かれた。日本で列福式が行われたのは初めてだそうである。国内外から3万人の参列者があったというから驚きである。実は、昨日小中陽太郎氏へもしご在宅なら、書籍をお届けするとメールを送信したところ、この儀式へ出席しているからとの返信をいただいてなるほどと思った。何でもキリスト教ご法度の江戸時代に迫害を受けて殉教したキリスト教徒188人を、「聖人」に次ぐ「福者」に列する儀式である。その中には天正遣欧使節団の中浦ジュリアンも含まれている。寡聞してこのような式典が日本で行われるとは知らなかった。列福式にはローマ法王代理の枢機卿も参列された。