563.2008年11月27日(木) ムンバイでテロ、炎のタージ・マハール・ホテル

 一昨日来のバンコック・スワンナプーム空港の閉鎖騒ぎは依然として解決せず、早や3日目を迎えた。日本人も約1万人が出国できずにいる。近くに使用可能な国際空港がないために、一昨日APECに出席してペルーから帰ったソムチャイ首相もバンコックへ帰れずチェンマイ空港へ帰りつく有様だった。一昨年開港した現在の空港は東南アジアのハブ空港としての重要性を高め、今では成田空港より発着便数が多い。その空港が機能不全状態に陥ってしまった。

 私自身がバンコック空港に居合わせたらどう対応するだろうかと考えると、距離的にはプノンペンが近いが国境周辺の不穏な治安を考えあまり良い案とも思えない。時間はかかっても確実に行ける陸路をプーケットへ向かうか、マレーシアのペナンへ出るだろう。

 現政権はタクシン元政権と実態はまったく変わっていない。ソムチャイ現首相はタクシン氏の義弟であり、やや強引な手法も似ている。仲介役として軍部が出てくるのも珍しいが、その軍司令官が首相に下院を解散して総選挙をするよう促しているが、首相は自政権を正当な政府としてこれを拒否しているので先の展望が開けない。空港には反政府団体・民主主義市民連合(PAD)が座り込みを続けている。いつになったら解決するのか、軍部がクーデターでも起こさなければよいがと心配である。

 夕方になってもっとびっくりするような騒ぎがインドのムンバイで起きた。日本人も巻き込まれて1人が亡くなった。高級ホテルや鉄道駅等の市内中心数箇所で勃発した同時テロだ。このうちタージ・マハール・ホテルは30年近く前、作新学院の江川卓投手が甲子園で活躍していた夏に、エチオピアからの帰途ちょうど当地の商社駐在員だった学生時代の友人と、ホテル内レストランで食事をしたことがある。当時はムンバイではなくボンベイと呼ばれていた。私は市外のオベロイ・ホテル(?)に泊っていたが、このタージ・マハールは外観が赤とうす緑、白のロココ調の外壁で重厚な趣のあるホテルだった。目の前には海へ向かって歴史遺産となっている立派な「インド門」が堂々と建っている。いかにもインドの歴史に思いを巡らせるような環境にある。

 テレビで中継録画を観ているとあのどっしりとしたタージ・マハールから火の手があがっている。あの由緒あるホテルが破壊されるのかと想像すると胸が痛む。ホテル内に立てこもったテロリスト集団が宿泊客を人質にインド軍隊と銃撃戦を繰り広げている。カシミール地方でヒンドゥ教と対立するイスラム系民族主義者が仕掛けたテロの疑いがあるようだが、金融危機のこの時期にどうしてこんな物騒な事件が起きるのだろうか。アフガニスタンのカブールでもアメリカ大使館近辺で爆発事故が発生している。クワバラ! クワバラ!

2008年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com