ムンバイの同時テロが漸く終息に向かい出した。少しずつホテル内に閉じ込められていた人質が解放されている。不思議なのはテロ標的のひとつ、トライデント・ホテルを下からも、屋上からも軍の特殊部隊が1部屋1部屋調べていったところ、テロリストはすでに姿を消しホテルはもぬけの殻だった。こんな間の抜けたマンガチックなシーンがこの緊迫した場面で現出されるとは思いも寄らなかった。タージ・マハール・ホテルはまだ銃弾戦をやっていて死者は150人をすでに超えた。日本人は勃発直後1人の犠牲者を出したものの、その後は死傷者がなくまずまずよかった。ただ、完全にテロリスト集団が制圧されたわけではなく、余燼が燻っている。
午後麻生首相と民主党小沢一郎代表との党首討論が行われテレビで中継された。僅か45分程度ではさほど突っ込んだ討論にはならないと思っていたが、案の定衆議院解散問題、補正予算、首相の言葉の軽さぐらいしか話題にならなかった。肝心な外交問題、防衛問題にまで触れなかったのは、時間不足だけではなく、お互いに勉強不足だったからに違いないが、折角のチャンスなのに実に惜しいことをした。結論的に言えば、どちらもどちらという印象で、小沢代表も張り切っていた割りには内容に鋭さがなかった。どうも小沢氏は話が下手で、考えていることの半分も言えないのではないか。いずれにしろお互いにメリハリの利かない、つまらない、実りの少ない討論だった。回数を重ねていけば、徐々に良くなってくるのだろうが、時間の無駄という感じもする。
しかし、政治家なんていうのは丁々発止の議論ができなくては政治家とは言えまい。2人ともどうも要領がよくない。平素の政治活動は何のためにやっているのか。いつも狭い部屋の中で仲間内の政局論争ばかりやっているからではないか。がっかりした。
来年2月に出版記念会を開催するが、その案内状を送り終えた。昨日と今日で330通ばかりお送りしたが、何人の方にご出席いただけるだろうか。その拙著の発行に際して、友人たちから書店で購入してくれたとか、書店で逆にPRしてくれたとか、友情はいつもながら有難いことである。