まさにどんでん返しの決着である。膠着状態だった反政府デモ隊によるバンコック空港占拠問題が急転直下解決の様相を見せてきた。軍部や警察が2つの空港を占拠していたデモ隊を力で排除したわけではない。また、デモ隊側に含むところがあって、自発的に身を引いたわけでもない。思わぬところから「神の手」が飛び出してきた。
現在チェンマイに滞在中のソムチャイ首相と「国民の力党」を含む与党3党が前の選挙で犯した違反が憲法裁判所から断罪され、党は解党を、また首相は5年間の被選挙権停止を命じられた。これによってソムチャイ政権は空中分解して崩壊した。意外な結果でソムチャイ首相退陣を要求していた民主市民連合(PAD)の要求が通った形になり、デモ隊は首相府、2つの空港から退去することになった。
詳細は実際のところよくは分らないが、双方とも憲法裁判所の考え方や、この事態を想定できなかったのだろうか。ところが、現地筋の伝えるところでは、ソムチャイ首相は失脚することになっても、政党解党は別の時点で新党を結党して解党された与党議員が新党に加入すれば実態は変わらないことになる。実際どうも政府側にはタクシン元首相派が裏で暗躍している節がある。また、タクシン派と反タクシン派の駆け引きやら、政争が繰り返されるのだろう。取りあえず空港占拠は解放されるであろうが、次期首相をどう選出するのか、しばらくは目を離せない。タイ政界は一寸先は闇との感じがしてきた。
闇と言えば、日本経済の先行きも闇である。今日の東証株価は533円も下がり、日経平均でまた7,000円台(7,862円)まで下がった。日銀が中小企業融資として3兆円も支援しようと決断したのに、本家本元の政治がガタガタだから一向に足場が固まらない。3月に福田前首相が道路確定財源は、一般会計へ繰り込むと明言したにもかかわらず、道路族が抵抗して元の木阿弥、福田発言を反故にしようとしている。自分に有利な利得だけを考えて行動する国会議員なんて、どだい話にならない。
先週の血液検査の結果、CRPが3.33まで低下したのがせめてもの慰めである。3月に2.22だったのだが、その後上がりっ放しで8月には8.01まで達した。松本先生と相談しながら、0.3以下まで下げる努力を続けている。このままの状態が継続されるようだと血圧を上げる結果につながる薬剤を飲み続けなければならない。