「停年オヤジの海外武者修行」増刷につき、若干の課題を早稲田出版と打ち合わせた。来年1月に第2刷発行であるが、表紙帯の折り目部分の色落ち、写真の明るさ具合、1文字の誤植の修正についてお願いした。帯は角の折り目が色褪せるので、これにもうひとつ無色のコーティングをかけてもらうことにした。この点については同社社長が一般的に帯はコーティングしないと言って同意しなかったが、色褪せた実物を示し説得して納得してもらった。写真は1枚を除き、すべてもっと明るくしてもらう。文字の誤植は訂正してもらう。これですっきりすると思う。
終えてから紀伊国屋裏の喫茶店へ向かい、「知研」久恒啓一理事長、八木哲郎会長、秋田英澪子事務局長、小林尚衛氏に私も加わり、知研が編集する「知の現場」なる書の発行について、久恒理事長と東洋経済新報社が考えているアイディアの実行方法を話し合った。「知的生産の技術研究会」編集、発行とする魅力的な書を企画する予定である。
現在それぞれの分野で多岐に亘って活躍している人の知恵の現場で話を聞きながら取材して、1冊の書にまとめようというものである。リストアップされている人をさらっと見ても、興味を惹く魅力的な人ばかりであり、その泉のような知恵の源泉を知ることは、多分読者にとっても興味を掻きたてるのではないかと思っている。知研としても新しいプロジェクトを発足させることは、知研自体を刺激することになり、知研会員にとっても大きなモチベーションとなる。忙しくなるが、これはこれで結構面白い企画ではないかと期待が高まってくる。
さて、景気の悪化は金融危機ばかりでなく、大企業、中でも自動車産業をいろいろな分野で窮地に追い込んでいる。一昨日トヨタが発表した2008年度業績予想では、大幅に再下方修正した。雇用現場で非正規社員の削減が大きな話題を提供したばかりだが、各企業の業績がここまで悪くなるとは1年前には思いも及ばなかった。とりわけトヨタにおいておやである。というのも、昨年度の営業利益は2兆2,700億円を計上したが、それが今年度もそれに近い営業利益のはずが、一転して1,500億円もの大赤字に急降下したのである。トヨタの赤字決算への転落は連結決算開示以来初めてである。連結営業利益は95年度からうなぎ上りだった。昨年は新しい時代の夢を語っていたトヨタ首脳陣も、あまりのボディブローに、ついに来年4月には社長が交代する思わぬ事態に発展してしまった。これはトヨタ経営者の責任ばかりではない。円高という外的要因も影響している。経営者にとってもある面で不幸な時代に巡りあわせたと言えるのかも知れない。
まさに一寸先は闇である。それにしても今度の不況に際して、これほど多くの非正規社員がいるとは寡聞にして知らなかった。