景気が芳しくない情報ばかりがマス・メディアを席捲している。期間労働者や契約社員がバタバタとクビを切られる厳しい雇用環境に直面して、地方自治体が積極的に彼らを臨時職員として雇用しようと乗り出した。これは明らかに政府が動いた結果ではない。自治体が地域内の企業が非正規社員を解雇する状況を見て、独自に対応した救済策のひとつである。まったく政府や中央官庁の機能不全状態に自治体が動くしかない状況となっている。極端であるが、これでは政府や中央官庁は必要ないのではないかと考えてしまう。それでいて政府や頭の良いとされる(実際にはプライドばかり高くて頭なんて良くない)中央官庁の役人が考える来年度予算は、過去最高の支出額である。短絡的にそう間単に考えるわけには行かないが、実際役人なんて要らないと考えたくなる流れと社会の構図になっている。鈍感な政治家と、国家観のない役人はこういう状況にぶち当たり、国というのは何が骨格であり、どう組み立てなおすのかというアイディアがまったくない。ポーズだけとって手を拱いているのだ。情けない。
年末となってこのところ年の瀬の恒例となった年賀状を書いている。この3日間で500枚近い宛名書きをした。あと100枚少々書くつもりだ。印刷はかつて本職の印刷屋に依頼していたが、今ではPCを使い自分で作成している。宛名だけは万年筆で気持ちを込めて書くよう努めている。これは子どもの頃から習慣となっている。やはりこだわりがある。どんな手紙でも相手の名前や、あて先は万年筆で丁寧に書きたい。書いているとふっと相手の顔が浮かんでくる。中にはほとんど連絡がなく、どんな生活をしているのか分らない友人もいる。でも、1年に1回の直接言葉を交わさない交流であり、相手が止めるならともかく当方から文通を止める気はない。まもなく今年も幕を下ろす。早いなぁというのが率直なところ。
また訃報である。直木賞作家の早乙女貢氏が今日亡くなられた。いつも日本ペンクラブの例会には和服姿で参加しておられたが、会津武士に格別のこだわりを持っておられた。例会後のパーティでも独特の存在感があったが、個性的な作風の作家がまたひとりいなくなった。