昨日胃癌のため亡くなられた早乙女貢氏は享年82歳だった。髪は黒々としてとてもそんなお年には見えなかった。今朝の朝日によると「会津藩主と藩士の苦難を通じて、小藩に逆賊の汚名を着せた官製の正史に対する疑念を提示。敗者の視点に立って日本の近代化の歴史の再検証を試みた」と紹介されている。会津魂に対するこだわりと思いのたけは、早乙女作品に集約されている。とにかくライフワークとして書き上げた会津魂シリーズは、吉川英治文学賞を受賞した第一期幕末編「会津士魂」が全13巻、第二期明治編「続会津士魂」が全8巻である。早乙女氏の作品は、恥ずかしいことにほとんど読んでいないが、解説を読むと中々骨のある歴史文学のようなので、いずれ読んでみたいと思っている。阿刀田高・日本ペンクラブ会長は早乙女氏の推薦でペンクラブ会員になられたそうだが、小中陽太郎氏の推薦と併せて、その阿刀田高氏の推薦で同じくペンクラブ会員になった私は、早乙女氏にとってさしずめ孫弟子のようなものだろうか。謹んでご冥福をお祈りしたい。
内閣府が発表した2007年度国民経済計算によると昨年の日本人の一人当たり名目国内総生産(GDP)は、世界で19位だった。G7の中で最下位だそうだ。必ずしも経済力の実態を表しているわけではないが、凡その見当はつく。昨年はユーロ高傾向だったので、ヨーロッパ各国のGDPが膨らんだ一方で、日本は成長率が伸び悩んだせいでもある。イタリアに追い抜かれた。実際日本の上位18カ国のうち、アメリカとカナダを除く16カ国はすべてヨーロッパだった。今年が円高だったので、日本のポジションも来年度は昇格するのではないかとのコメントもある。さあどうなるか。
早稲田出版と拙著の重版について話し合っている。やや暗過ぎた写真をもっと明るい印刷にしてもらうということで落ち着いた。嬉しいことに出版社に拙著への電話注文が相次いでいるという。何となく黙っていても内心から嬉しさがこみ上げてくるものだ。この分だと気分よく年を越せそうだ。