593.2008年12月27日(土) 数少ないまともな政治家・与謝野馨氏

 政治家の中で与謝野馨・経済財政担当相は、周囲の雑音に煩わされることなく、筋の通った論理を展開する、その考え方と姿勢には以前から敬意を表している。今朝の日経新聞のインタビュー記事「次の世界」によれば、「世界同時不況を克服するためには、アメリカの貿易赤字と財政赤字、家計の過剰消費を止めることが必要」「日本経済の立ち直りには潜在的な成長力の高い新興国との協力が欠かせない」「機軸通貨のドルを支えることが我々の利益」「市場経済のメカニズムで決まる価格や資源配分が善であるという市場経済の原則は守る。(現在の経済不況は)バブル発生を阻止できなかった制度の欠陥を手直しすればいいだけの話で、自由主義経済の思想はきちんと守らなければならない」と自民党の政策通らしい主張をしている。

 ただ、良い家柄に生まれ豊かな生活環境の中で育ったせいか、主張することは結構だが自らは動かないというのが弱点であり気に入らない。「民主党の言っていることもいいところがあると思う。連立とかではなくて、きちんと政策的な話し合いをしたらいいだろう」なんて、大臣という重要ポストにありながら、他人ごとのような発言はいただけない。この辺りがこの人の限界ではないかと残念に思う。与謝野氏は前々から消費税増税には積極的な立場に立ち、その論旨も理解されやすいし的を射ているので、この機会に堂々正論を戦わせて、もう少し存在感を訴えて欲しいものである。

 このほかにも今朝の日経は中々歯ごたえのある記事が多く、小宮隆太郎・元東大教授に「私の履歴書」の中で、前川リポートの功罪について骨のある持論を開陳させている。

 さて、忘年会シーズンも昨日辺りが最後だろうが、今日は小中陽太郎さんを囲む「ヨタロウ会」忘年会。神田の「樽平」に32名が集まった。こういう会合に出ると知り合いに会うことが多い。今日も服部さん父子、瀧澤洋子さんご家族、知研からは久恒啓一・理事長、八木哲郎・会長、秋田英澪子・事務局長、樋口裕一・多摩大教授、日本ペンクラブの西原健一さん、滞米27年の北岡和義さん、目黒区議の須藤甚一郎さんらである。驚いたのは、昨夏小田実さんの葬儀当日の追悼デモが朝日新聞社会面に大きく掲載されたが、その写真のド真ん中に私が映っていることを須藤さんが発見されたと語られたことである。あまたある新聞掲載写真の中で、特定の人物を見つけられるとは凄い目利きだと感心してしまった。恥じることをしているわけではないので、気にすることもないのだが、それにしても行動には充分気を配らなければいけないと自戒した次第である。

 出席者が各人各様の話をされたが、小中さんが先日出版された「小田実と歩いた世界」(講談社刊)、及びべ平連の活動がどうしても中心になってしまう。事務局長だった吉川勇一さんの健康が優れないらしい。私も拙著を売り込んでおいた。小中さんご夫妻と自由が丘からタクシーで帰ったが、早や12時近くになっていた。

2008年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com