ガザ地区に対するイスラエルの攻撃は、今日も益々熾烈になり、空爆に加えて地上攻撃も開始され、ガザ地区の死者は民間人を含めてついに500人を超えた。イスラエルはガザ地区への攻撃を続行することによってガザを南北に二分した。
国連安保委員会が3度に亘って両陣営に停戦を訴えたが、まるで暖簾に腕押しである。むしろ攻撃は日々激化している。かつて私が中東を訪れた第3次中東戦争のころは、アラファト議長率いるパレスチナ解放機構(PLO)だけがイスラエルと対決していた。今ではパレスチナ暫定自治政府は穏健派のファタハが主導し、過激派でイスラム原理主義組織のハマス、北部のヒズボラがガザ地区内に分散して活動している。当初サルコジ仏大統領が仲介に乗り出そうとしたが、両陣営から相手にされず1度は退いた。しかし、サルコジのスッポン作戦は、ならばと明日イスラエルに入って直にオルメルト首相の説得工作に当るという。イスラエルとファタハに電話で自制を促したという麻生首相もお体裁だけではなく、この果断にしてアグレッシブなサルコジの行動力を少しは見習ったらどうか。戦火はエスカレートするばかりである。目立ちがりやのロシアと、地上の様子を眺めているモグラ中国は渦中の栗を拾う様子もなく、じっとアメリカの出方を見守っている。そのアメリカは、攻撃を続けているハマスこそ戦争をたきつけているとして、ハマスを非難してイスラエルに対しては攻撃を停止させようとの素振りも見せない。これでは難題が解決する筈もない。アメリカはニューヨークに6百万人もの裕福なユダヤ人が居住して、彼らからの見返りが多い。平和とか、人類愛とか、生命の大切さなんかより、ユダヤ人から得られる金銭勘定ばかり考えている。
サルコジがイスラエル入りして果たしてどんな交渉力と説得力を示すことが出来るか。仮にサルコジに成果があった場合、アメリカの地位と信頼は急速に低下するだろう。
もしこのままの戦闘状態が続けば、パレスチナが焦土と化すことは間違いない。ユダヤ人国家アメリカ、パレスチナ紛争の火種を作ったイギリス、覇権争いの常連ロシア、モグラのおっちゃん中国はこのまま放っておいて良いと思っているのだろうか。
さて、今日から日本も再起動である。早速大発会で日経平均は9,000円を超えた。円安傾向も示した。このままこのトレンドが維持されればよいが、専門家の予測でも今年中には景気は元に戻らない。
通常国会が今日召集された。まずは、人気のない定額給付金を盛り込んだ来年度一般会計予算を成立させようとの政府の目論見である。政策論争よりも常に政局にらみである。政治家の無為無策にはまったく呆れ果てる。