629.2009年2月1日(日) 身勝手なアメリカの保護主義政策

 スイスのダボスに世界の政財界人が集まり世界経済フォーラム、通称「ダボス会議」が開かれている。日本からも麻生首相が乗り込んで気前よくアジア諸国へ1兆5千億円以上の途上国援助(ODA)を新たに供出すると威勢良く表明した。国内では政治的に弱い立場から言いたいことも言えず、国会でも厳しい追及に晒されているが、世界に対してお土産付きなら好い顔ができる。浮かれたのかどうか分らないが、またスピーチ原稿を読み間違えたようだ。まあ外国でのスピーチなので、通訳が正しく翻訳すれば相手に正確に伝わるわけで大きな問題にはなっていないようだ。しかし、「基礎」を「基盤」とよんだり、前日会談したイギリスのトニー・ブレア前首相をトニー・ブラウン現首相と呼んだり、こればかりは流石に側にいた秘書官が注意したらしいが、相変わらず無神経で非常識な点は修正されていない。

 もうこれ以上恥を晒さない内に、潔く職を辞した方がよいのではないかとつい思ってしまう。

 ダボス会議に合せて、世界貿易機関(WTO)の非公式閣僚会議が開かれている。建設的な会議という点では、むしろこちらの方が注目されるのではないかと思っていたところ、アメリカの保護主義政策に対する批判で持ちきりだったようだ。アメリカの言うバイ・アメリカンに対する不信感の表れである。

 アメリカは自動車産業保護を表向きに、保護政策へ転換した。過去において日本の米を主とする農業生産品の関税引き上げに対して、日本を激しく叩いた対応からすると、随分都合よく豹変したものだと唖然とする。会議に出席した二階経済産業相と石破農業水産相も、異口同音に「昨年の金融サミットで保護主義に陥らないことで意見が一致した」のにと、あまりのどんでん返しに驚いている。各国の代表からもアメリカの保護主義に対しては批判的な声が強い。

 時間の流れを見ているとアメリカの保護主義には、根底に彼らアメリカ人の利己主義がある。自国に余裕がある時はあまり余計なことはやらず、また言わずである。しかし、旗色が悪くなると一転して自己中心になる。もう一言言わせてもらえば、日本の農業が行き詰まったのも、戦後のアメリカ式の言いなりによる農政失敗のせいである。ヨーロッパ諸国がアメリカ保護政策に厳しい立場に立つなら、この際一度日本もヨーロッパと手を結びアメリカに異を唱え、更に一歩進めて叛旗を掲げてはどうだろうか。

2009年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com