今朝未明浅間山が噴火して噴煙が2,000mの上空まで吹き上げた。火山灰が千葉県鴨川市や、横浜、伊豆大島にも降ってきた。浅間山と言えば、学生時代の夏休みに軽井沢にあった父の会社の軽喫茶でアルバイト中に突然噴火して、その直後のにわか雨で、店内のビーチパラソルや、近くに駐車中の車の屋根に灰色の火山灰がたまったことが印象に残っている。とにかく真近くで感じた轟音と降ってきた火山灰には驚いた。この浅間山の噴火と連動しているわけでもあるまいが、今日は鹿児島県桜島の昭和火口でも噴火が見られた。日本列島が火山列島と云われる所以でもある。
海外でもハワイ、ニュージーランド、イェローストーンでぐつぐつ煮えたぎる地獄を見たが、一番びっくりしたのは、30年ほど前にロンドンでテレビを通して伊豆大島の三原山が噴火した光景を見た時である。あの時は全島避難に近かったと思うが、私が職場にいない間に奥方が大島出身の部下のひとりが、家族全員で一時大島を離れたと語っていたことを思い出す。
さて、先月30日に大相撲の十両力士・若麒麟が、大麻を持っていて逮捕された。今日日本相撲協会理事会は若麒麟に解雇処分を下した。普通の感覚では、悪事を犯して警察に逮捕されたら、どんな組織でも解雇処分、つまり首を切られることは自明の理である。当然退職金とか、慰労金なんてもらえる筈がない。ところが相撲協会の常識は一般社会とは違うようだ。「解雇」は、本来の「解雇」とは違うのだ。相撲協会の「解雇」は、職は失うがその代わり退職金はもらえるという。もっと厳しい「除名」という処分を受けるとすべてが無になる。普通の常識とはまったく異なる。理事会が満場一致の断を下した際も、反対者がかなりいたという。にも関わらずそれを強引に満場一致の結論と公表するのは、仲間内の庇いあいの表れではないかと思う。見せかけだけの温情である。処分を発表する武蔵川理事長は、若麒麟はまだ25歳と若いので可哀相だと言った。ある漫画家に言わせれば、25歳にもなってこんなことも分らないのかと厳しい指摘だった。
結局日本相撲協会は、2度と繰り返さないと固く誓いながら同じ過ちを繰り返している。若麒麟の親方を2階級降格処分にしていながら、昨年9月に起きたロシア人力士の大麻事件の際の親方を昇格させている。その場しのぎの処分と言われても弁解の仕様もない。自らを甘く対応するのは、一向に直らない相撲協会の体質ではないのか。今のままでは、また同じような破廉恥は繰り返されるだろう。
火山噴火と同じで、大麻の若麒麟事件にリンクして、アメリカのスーパースター、水泳のマイケル・フェルプスが大麻吸引の写真を公開され、大騒ぎになっている。北京オリンピックで史上空前の8つの金メダルを獲得した英雄にしてこのザマである。これも甘えのせいだろう。罪の意識があるのかないのか、案外素直に謝罪している。
身体だけは立派でも常識が追いついていかない昨今のスポーツ選手の堕落した姿である。