案の定麻生首相とオバマ大統領との首脳会談は外国ではあまり高い評価を受けていないようだ。普通ならその直後に会食をするのが正式なプレトコールだが、それをカットした点や、余命幾許もない首相にアメリカが期待出来ない点を各国のマス・メディアは皮肉っているのだ。最初に日本に出し抜かれたという彼らのやっかみもあるだろう。一方、麻生首相は日米トップ会談を自画自賛して成果を強調している。今朝の衆議院予算委員会でも冒頭に先日のサハリン訪問と併せて、帰朝報告をした。
まだ新聞では大きく報道されていないが、昨日民主党小沢党首が、アメリカ軍の日本駐留は海軍(第7艦隊)だけで充分だとしゃべった。案外小沢党首の本音かも知れないが、この発言が一部で物議を醸している。自民党からは現在の日米安保体制下では現実的ではないとの声が出ている。小沢党首は米軍や自衛隊についてかなり詳しく勉強している。独自の防衛論も持論として温めている。だが、発表の仕方がいかにも唐突で、民主党内でも当惑気味で対応がバラついている。小沢党首の意図はどこにあるのか。割合小沢氏はアメリカに対して強い姿勢をとる。政権政党である自民党にとっては厄介な発言であろう。
現在日本に駐留する米軍は、空、陸、海兵隊、海軍(第7艦隊)を併せて約3万人である。それが第7艦隊だけなら3千人程度でいいことになる。小沢党首は自衛隊があれば、横須賀を中心に展開している第7艦隊だけで東アジア海域の防衛は間に合うと考えているようだ。
この考えが的を射ているかどうかは何とも言えないが、責任ある立場にいる政治家がいとも簡単に持論を開陳すること自体問題ではないか。同じ党内でてんやわんやの状態では、周囲に統制がとれていない印象を与える。後先考えずに、思いつきのように持論を口外するのは、別の意味で心配である。
酔っ払って支離滅裂も困るが、根回しもなく周囲への影響を考えることもなく、思いついたことをぺらぺらしゃべるのも軽薄のような気がする。これでは、例え政権交代が実現して民主党が天下を取っても、党首の失言が懸念される。