昨日今年の暖冬説の記事があったが、今日は夕方になって一転雪が降り出してきた。しかも全国的にである。桃の節句の降雪は25年ぶりだそうである。ともかく日本の気象も政治と同じで一寸先は闇である。
さて、先日米第7艦隊発言で物議を醸した民主党小沢一郎党首が政治資金規正法違反の嫌疑で、今日東京地検が小沢党首の公設秘書を逮捕して政治団体事務所を家宅捜索した。政治家と金の問題はいつもついてまわり、政治家も自らを律していつも気をつけている筈であるが、それでもなお旧態依然である。
次の総選挙では政権交代が予想され、小沢氏は次期首相がほぼ約束されている。こんな重要な時期に明らかなイメージダウンであるスキャンダルが明るみに出たら、致命傷になりかねない。だんまりを決め込んでいる小沢氏に代わって、周辺からもれてくるのは「適法に処理している」の一点張りである。民主党の上層部からは、小沢党首を庇う発言しか出てこない。しかし、党内の一部にはこれでは選挙は戦えない、小沢党首辞任の声も出ている。この大事な時に検察が動いたということは、検察が確たる証拠を握った証しではないだろうか。金庫番である第1秘書が逮捕されたということには重いものがあると思っている。一方で民主党鳩山幹事長のごときは、総選挙が近づいたこの時期にこういう強制捜査の動きが出てくるのは、国策捜査で恣意的なものを感じると言っている。
嫌疑は西松建設から政治献金を受け取りながら、裏の手を使って個人の献金のように見せかけているとの疑惑である。小沢氏は田中角栄元首相の影響を強く受け、相も変わらず土建政治を踏襲している。西松建設は海外工事で得た10億円を日本に持ち込み、政治献金として政治家にばらまいていたのではないか、それによる見返りがあったのではないか、と憶測されている。もし、それが事実ならいわゆるあっせん収賄に当る。
小沢氏は選挙に強く、演説は巧くないのに中々リーダーシップの取り方がうまい。出身母体がばらばらの民主党内を纏め上げたのも小沢氏ならではだと思う。しかし、あの強権的な姿勢には、腰を引く人も多い。大学の後輩に当るが、あの威張りくさったやり方には以前から好意を抱けないままである。
それにしても、「沈黙は金」を誤解しているのか黙して語らぬでは、真実が分らず、疑念は深まるばかりである。一刻も早く説明責任を果たすべきである。さもないと寄り合い世帯の民主党は早晩空中分解するであろう。