675.2009年3月19日(木) アメリカの恥知らず経営者

 知研の出版プロジェクトについて秋田事務局長と打ち合わせる。これからのスケジュールの確認と作業分担を確定して、メンバーにもより協力してもらう。若手は仕事を抱えているし、遠隔地のメンバーはそう簡単には集まれないので、いつでも打ち合わせするというわけにはいかない。せめて秋田さんと2人で参謀本部となってこのプロジェクトを支えていきたい。

 オバマ大統領が、経営再建中のAIG役員に対するボーナス支給に怒りを表した。最も不愉快な事案と決め付けた1件である。それはそうだ。経営悪化で立ち行かなくなって政府の支援を受けた企業の経営者がボーナスを受け取るという非常識な行為に、アメリカ国内でも厳しい非難の声が上がっている。先日もGM経営者が巨額のボーナスを、議会の指摘で返上したばかりである。GMの場合は確か月給1$という殊勝な支給にむしろ同情を得たくらいである。それが、AIGの場合は、むしろ開き直っている。契約社会の論理が先行して、契約を破棄されれば社員は世論の批判覚悟で訴訟を起こすリスクが高いとの見方もある。しかし、ボーナスの原資はどこから出されるのか、あまり考えられていない。議会で追求を受けたAIGのリディCEOは、人材流出を防ぐため支給せざるを得なかったとか、半額以上を任意で返還するよう求めたとか、何とも不誠実な答弁に終始している。ボーナスをもらった社員418名のうちすでに52人は退社しているという。つべこべ言わさずに取り上げたらよいのではないか。彼らには国民の税金から支援されているという認識がまったくない。果たして日本だったらどうか。日本人の対応の方がよほど毅然としていると思う。

 NHK「ニュースウォッチ9」が、インドネシア・ビアク島のNPOによる遺骨収集作業の様子を伝えていた。われわれがこの政府事業をお手伝いしていた時は、民間人が遺骨収集に携わることはご法度とされていた。このNPOがかかわる理由は政府派遣の遺骨収集団が昭和59年からストップしたからだそうだ。戦死者が1万人に対して500人の遺骨しか故国へ帰っていない。遺族からは作業の継続を望む声が強いという。しかし、この事業を継続するかどうかの判断は難しい。遺族が次第に亡くなっていく中で、この事業も先細りが懸念されていた。かなり以前に時の厚生省が遺族の遺骨収集継続熱望の声に押されて、苦し紛れに「概了」という言葉を以って細々継続するとの見解を出したことがあった。「終了」という強い言葉を言い切れない厚生省に対して、当時のマス・メディアが皮肉っていたことがあった。これから厚労省は戦没者遺骨収集事業をどのように進め、いつまで続けようとしているのだろうか。かつて事業に参加したひとりとして、関心のあるところである。

2009年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com