昨日は随分寒かったが、今日は一転して陽春のほのぼのとした温かさの中で玉川郵便局へもYシャツ姿で出かけた。日本のプロ野球もWBC優勝にあやかり、盛り上がって開幕して間もない。サッカーJリーグや水泳日本選手権も華々しく、正にスポーツ・シーズンたけなわである。しかし、近年日本のプロ野球はMLBに押されて人気も今ひとつという感じである。
一昨日イチロー選手が張本勲選手の達成した日本人生涯通算安打3,085本に並んで、アメリカ内だけでなく、日本国内でも号外まで出たくらい盛り上がった。昨日もまたヒットを1本打って、いとも簡単に日本人最多安打記録を達成した。イチロー選手の記録は日本とアメリカで打った日米合計安打数であるが、張本選手の記録はすべて日本プロ野球界で放たれたものであり、日米間には年間試合数などいくつかの点で条件が違うので、簡単に比較することは難しい。
しかし、一般に米メジャーリーグの方が日本のプロ野球界よりレベルが高いとされているので、イチロー選手の記録は張本選手の記録より価値が高いと見られている。
その一方で、本塁打記録は、王貞治選手の生涯本塁打が日本国内では868本で、ハンク・アーロン選手の755本を軽く抜いて世界一と言われている。だが、日本の野球を一段低いとみているアメリカ人は、必ずしも王選手の記録を最多本塁打とは認めていないようだ。イチロー選手がこれから記録をどんどん伸ばして、メジャーリーガーに伍してMLB記録を塗り替えていけば、相対的に王選手の本塁打記録に対するアメリカ人の評価も上がってくるのではないだろうか。
それにしてもアメリカ人選手の作った生涯通算最多安打はピート・ローズ選手の4,256本で、まだほど遠く、なお1,000本以上の差がある。評論家はローズ選手の記録をイチローが追い抜くのは可能で時間の問題と話しているが、果たしてどうか。
ピート・ローズ選手といえば、メジャーリーグ選手団の一員として日本にもやってきて日本人の間でも人気が高かったが、あの猛烈なヘッドスライディングは迫力満点で度肝を抜かれたものである。晩年は野球賭博にはまって野球界を永久追放され、授けられたレッズの永久背番号を穢して晩節も汚してしまった。
思い起こすと、かつては私にとってもピート・ローズは憧れの選手だった。一度彼のプレーを本場で見たくて観戦に行ったことがある。1980年9月に文部省教員海外派遣団の添乗員としてフィラデルフィアに滞在中に先生方を誘ってフィラデルフィア・フィリーズのホームスタジアムへ出かけた。レッズからフィリーズへ移籍2年目でローズの人気がまだ衰えないシーズンだったので、熱狂的なファンが「ピート」と声援していたが、私の耳に入ってくる声援は「ピー!」「ピー!」にしか聞こえず、その声援も煩かったことが懐かしい。
さて、昨日東京でパキスタン支援国会合が開かれ、約50ヶ国と国際機関が今後2年間に総額50億ドル(約5千億円)を上回る拠出を表明した。今年はオバマ政権が誕生早々イラクから早期に部隊を撤退させて、アフガニスタンへ増派すると表明していた。タリバーン掃討作戦を展開することを検討している。しかし、タリバーンがアフガンから国境線を乗り越えパキスタン領内へ進出してきた。これが問題である。パキスタン政府は思うようにタリバーンを鎮圧出来ずに、国境周辺でテロによってかく乱されている。
いま最大の要注意国はパキスタンである。私も訪れたことのある国境のカイバル峠周辺が最も危険で、流動的な状況にある。一昨日のNHK「クローズアップ現代」でも、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯に住む部族周辺が最も危ないと動画入りで報じていた。私が訪れた9年前でもかなり危険な匂いが充満していた。
当分このトライバル・エリアから目を離すことが出来ない。