昨日からジュネーブで始まった国連「人種差別反対世界会議」が冒頭から荒れ模様である。会議前から中東諸国のイスラエル言論攻撃が懸念されていたが、その空気を感じ取った西欧とアメリカは最初から会議に欠席した。
奴隷解放、植民地解放、南アフリカのアパルトヘイトが解消されて、表面上人種差別がなくなっているはずの国際社会において、まだこの種の会議が開かれ、大もめにもめていること自体、人種差別政策が暗黙のうちに存在することを表している。
今回は人種差別問題よりも中東和平を巡る場外乱闘が表面に出てきた。イスラエルとアラブ諸国との対立である。その最たるものは、早くから問題視されていたイランのアフマドネジャフ大統領のイスラエル非難である。「イスラエルの地図上からの消滅」発言のイラン大統領の登場に最初から嫌悪感を示した欧米諸国は出席せず、この会議の場でも「イスラエルは中東の人種差別主義の国」と発言したイラン大統領に呆れて、サルコジ仏大統領も途中退場する有様である。これほどの国際会議が対立は増すばかりで、今のところ何の成果も期待出来ず、空中分解しかねない。これでは最初から会議自体を開催する意味があるのか疑問符がつく。
では日本の立場はどうか。国際会議でいつも影の薄い日本もちゃんと参加している。アメリカべったりの日本は、イスラエル側に立つアメリカに同意するわけにもいかず、さりとてイランをサポートする立場に立つわけにもいかず、毎度のことながら中途半端なのである。
それより真剣に考えなければならないことは、なぜこの種の国際会議に関する情報が日本では少なく、伝えられないのかという点である。結局外務省、マス・メディアを含めて相変わらずのノン・ポリなのである。
「酒のペンクラブ」4月例会が赤坂見附の「海千」で開かれたが、いつもと違い、最初から大真面目でペーパーを配布されて、試飲するお酒を品評するのである。同じ銘柄でも原料の米が違うといって2種類味わったが、残念ながらあまり違いが分からない。「香り」「甘さ」「のどこし」と書かれた空欄に後から後から廻ってくるお酒について書くのだが、ほとんど当てにはならない品評だったと思う。それよりこの「海千」の場所の良さはともかく、ビルの地下2階で万が一に火災でも発生したら逃げ場がないと感じた。いろいろな酒飲み場があるものだ。