747.2009年5月30日(土) 気性の振幅が激しい韓国人の国民性

 盧武鉉・韓国前大統領の国民葬が昨日ソウル市内で営まれた。NHKは弔問者が500万人と大げさに伝えていたが、韓国の全人口が5千万人弱で、いかに追悼の気持ちが強くともそんなに大勢の人が集まるはずもない。案の定今朝の新聞では18万人と書かれていた。ソウル市内は哀悼ムード一色に染まったというが、盧武鉉氏はほんの1週間前までは「バカ大統領」とまで陰口を叩かれていた。大統領就任時までは清廉な印象が強く、弁護士という前職のせいもあり正義感に溢れたリベラルな政治家との期待も大きかった。しかし、あまりにも北朝鮮に対する太陽政策にのめり込み、その挙句経済発展は失速して、韓国国民の失望を買ってしまった。2期目の大統領には再選されず、かつてのトップとしては寂しい生活を送っていたが、そこへ妻子の収賄疑惑が表面化して一気に悪者へ悪名変身した。このころであろう。「バカ大統領」との罵声が飛び交うようになった。かつてインターネットであれよあれよという間に大統領にまで上り詰めた盧武鉉氏にとっては、内心大いなる屈辱であっただろう。

 それが、前大統領の自殺という前代未聞の事件になるや、あれほど非難や中傷を浴びていた盧武鉉氏が、悲劇のヒーローとして一身に同情を集めるようになった。盧武鉉氏が自殺したのは検察当局の強引な捜査のせいで、李明博現政権に責任があると非難するありさまである。これほど感情の起伏が激しく、ひとつの方向に流れやすい朝鮮民族だが、太陽政策の恩恵を蒙っていた北朝鮮の金正日総書記は、弔問にも訪れなかった。このような振幅の激しい韓国人の国民性について、ある韓国人カトリック神父は「韓国人は、どんなに批判していても、その人が死ねばともに悲しみ、許し、冥福を祈る。今国民は盧武鉉を身近に感じている」と分析していた。

 翻って日本人にも若干似た傾向があるが、これほど極端ではない。しかし、こういう性向は気をつけないと思いがけないところで政治的に利用され、気がついたら自分の意思とはかけ離れた方向に進んでいたということになりかねない。そうなってからでは遅いということを危惧するものだ。

 大東亜戦争前の世論の流れがそうだった。万が一にも大きな政治運動に利用されないよう祈る気持ちである。

2009年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com