757.2009年6月9日(火) 幼友だち・椎名研二くんの訃報

 冒険作家・椎名誠さんから封書を受け取った。先日贈った拙著「停年オヤジの海外武者修行」に対する礼状に感想を書き添えてくれたものである。先日彼の兄・研二くんの動静について尋ねたが、それについても応えてくれた。悲しいかな研二くんは昨年亡くなったと書かれてあった。10年以上会っていなかった。

 誠さんからの封書は、冒険家らしく大きめの原稿用紙に筆ペンでダイナミックに書かれていた。全文は次の通りである。

 「先日はたいへんばくはつ的に面白い本をありがとうございました。旅が好きなので一気に読ませていただきました。パワーありますね。

 研二はおお酒のみがタタッて昨年亡くなりました。まあシアワセな一生だったとファミリーは思っています。

 またどこかでお目にかかれますことを。」

 椎名誠さんは、千葉市立幕張小学校(当時は幕張町立)時代の友人研二くんの実弟で7歳年少である。ガキのころ近所の椎名宅へ押しかけては家の中を荒らしまわって母上にご迷惑をおかけした。その時チビがいるなと思ったのが実は誠さんだった。彼の初期の作品「犬の系譜」や、その他の著作に研二くんはしばしば登場する。卒業後はそれぞれ別の中学へ進学したので疎遠になって、大人になってからクラス会で会う程度だった。研二くんは5年生の時東京から転入してきた。その数ヶ月後に私も同じクラスに転入したが、家が近く、お互いに野球好きで親しくなり、総武線で後楽園に巨人戦を一緒に観戦に行ったこともあった。研二くんの知られざる一面は、飛行機嫌いだったことと、大酒飲みだったことだ。

 同級生何人かで一度香港とマカオへ旅行した時に、彼を誘ったら飛行機が苦手だから行かないと言ったので、弟(誠)は大旅行家だから同じDNAを考えれば食わず嫌いでもったいない。行こうと何度も誘ったがダメだった。酒については、誠さんが書名は忘れたが著書に面白おかしく書いている。中央線電車内で酔っ払いが大声で暴れていたので、うるせぇ野郎だと思って顔を見たら兄貴だったので当惑したとあった。元々憎めない男だったが、都内にマンション住まいして他にも賃貸マンションを持ち、家賃で暮らしていると暢気なことを話していたことも忘れ難い。4月に開かれた最後の同窓会では、椎名研二くんの噂は誰からも出なかった。性格が明るく友だちも多かっただけに、同級生に彼の訃報を伝えたらがっかりするだろう。同じ年齢の仲間がこの世からひとり去り、ふたり去っていくのは何とも辛い。今度誠さんに会ったら思い出話をしてみようと思う。

2009年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com