763.2009年6月15日(月) 現職高級官僚逮捕と31歳の新市長

 昨日世間をあっと言わせる出来事が2つあった。ひとつは、障害者郵便物特別割引料金を悪用したとして現職高級官僚が逮捕されたことであり、もうひとつは公共工事にからむ収賄事件で逮捕された千葉市長の後任選出選挙で、全国最年少市長として、民主党推薦の31歳の前市議が大差をつけて自民党推薦候補者を破り当選したことである。

 前者は、「凛の会」という実態のない障害者団体に、女性の厚生労働省局長が自分の権限で証明書を不正発行したり、郵便局へ電話して特別扱いを要求した悪質な行為である。そもそも障害者だけにしか認められていない制度を悪用して、大型電器店のDMに利用させて億単位の金を支払わずに済ませたという。この事件は2つの点で問題を曝け出した。

 第1点はまだ解明されていないが、政治家が官僚に頼んだルートに沿って、電器店から相当なキックバックが障害者団体を通して政治家へ流れ、仲介した官僚には政治家から何がしかの色よい報酬があったのではないか。

 第2点は、郵便料金の決定に根本的な誤りと不適切さがあるということを露呈したことである。普通は製品が安値で販売され原価割れになれば、赤字になって生産を停止するのが常識である。ところがこれだけ多額の料金を騙されても、赤字が表面化したわけではなく、はっきり言って誰も実損を蒙ってはいないと思う。末端で怪しいと疑念を持たれて調べた結果今回の不祥事が明るみに出た。このことは、料金設定がもともと根拠のない相場と雑な料金計算によって決められていたのではないかと思う。結論から言えば、郵便料金が高いものだということを証明したのではないか。

 後者の千葉市長選挙について言えば、びっくりしたというのが本音である。31歳の熊谷俊人・新市長の誕生にはそれなりの理由があったのだろう。それにしても新市長は若い。議員経験としても2年前に市議に当選したばかりで、それまではIT企業に勤めていたサラリーマンだった。地方の小さな都市ならともかく、千葉市と言えば人口50万人以上の政令指定都市である。全国800近い市のうち、僅か18都市しかない。実力は未知数であり、期待もある反面、不安もある。自転車で走り回りながら政策を有権者に訴えたという。自民党の人気が降り気味である幸運もあった。しかし、新市長の真剣な熱意が有権者に届いたのだろう。現職副市長で自民党の支援を受けた対抗馬に圧勝した。若くて未知数ではあるが、可能性と清潔さに賭けた千葉市民の期待を裏切らないで欲しいものだ。時代が刻一刻と変わっているということだろう。

2009年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com