高校ラグビー部の後輩、鈴木敦雄くんに生命保険をお世話になっている。7年前まとまった金額を一括払いして、死亡の場合にいただける保険金はその倍額になる契約を結んだ。しかし、最近になってその保険料がそのまま塩漬けになって、このまま使えなくなっては自分の金でありながら自分の金ではないような気がしてどうするのがベストかしみじみ考えるようになった。一旦現在の契約を解約して、毎月定額保険料を支払う契約を交わした方がよいのではないかとも考え、今日後輩に会って相談したところ良いアイディアを提示してくれた。年齢的に解約は不利で、生保会社から保険料総額の9割以内で借金して利息を定額保険料として支払うのがベターではないかとアドバイスしてくれた。しかも金利は年利3%ということなので、あまり負担にならない。金利は最終的に遺族が保険金を受領する際に相殺されるということだった。流石はプロの的確なサジェスチョンである。これなら極めて好都合であり、早速信頼出来るアドバイスに従うことにした。まあ生命保険なんかであまり頭を使いたくない。これからずっとこのまま行きたい。
朝刊紙で「週刊女性」誌の広告を見てびっくりした。タイトルは「王貞治『老老介護苦汁の現実』」となっていた。失礼ながら王さんの母上はすでに亡くなられたのではないかと思っていた。1901年9月のご誕生だから、現在107歳のはずである。長い間王家の皆さまと交流があったので、母上のことはある程度承知していた。ご家族がおそろいのころは、毎年正月に箱根旅行をお世話していた。王一族打ち揃ってハワイ旅行をされた時などは、母上は帰国日が運勢上良くないと仰ってそのまま自宅には帰らず、成田にお1人で1泊されたこともあった。8年前の百賀のお祝いのパーティも王貞治前監督の兄上で医師の王鐵城先生から依頼されて新宿センチュリー・ハイアットで設営したこともある。
3年前に王先生にお会いした時、母上は大分弱っているので信頼出来る施設にお世話になっていると仰っていた。昨年暮れにその王先生が亡くなられた時、葬儀の場に母上の姿はなく、お名前も掲示されていなかったので、やはりもう鬼籍に入られたと早合点していた。それが何と今朝の週刊誌の広告である。
早速週刊誌を買って読むと、特別な内容ではなく、先年恭子夫人を亡くされた王貞治氏が、ひとりで、或いは娘さんと時折母上をお見舞いしているという週刊誌のトップ記事として大騒ぎするほどのものではない。
今や実兄の王鐵城先生も亡くなられ、夫人にも先立たれ、大きなお世話かも知れないが、野球人としては最高位を極めた王貞治氏にとって、家庭的にはあまり恵まれているようには見えない。王先生夫妻と私たち夫婦で一緒にヨーロッパ旅行をして、王家の方々とは随分親しくご厚誼をいただいただけに、とてもお気の毒で少々寂しい気もする。人柄の素晴らしい王貞治氏は私より2歳若いが、いつまでも元気でいて欲しいと願うばかりである。