総選挙の前哨戦である東京都議会議員選挙が告示された。風前の灯の麻生政権にとっては衆議院議員選挙の前哨戦であり、過去の選挙戦にはないほどの注目を集めている。自民党と公明党の与党がもし敗れるようだと麻生内閣は総辞職し、衆議院は解散と見られている。それだけに、各党とも党首以下幹部が都議選応援に繰り出している。
はたして各党の思惑通りに行くだろうか。届出が221人に対して定数は127議席で、与野党の内どちらが勝つのか、何とも言えないが、都議選が国政選挙と決定的に異なる点がある。
それは、国政選挙が小選挙区制なのに対して、地方選挙は中選挙区制であるということである。拮抗した勢力の党から候補者が争った場合、複数の定員に対して与野党から1人ずつ当選する可能性があるからである。よほどのことがない限り、全体として上げ潮の民主党といえども、自公勢力に対して決定的な差をつけることは難しいのではないか。
さて、鳩山由紀夫・民主党代表の個人献金虚偽記載問題が収まらない。鳩山氏は謝罪し、説明責任は果たしたと説明していた。しかし、どうもこの説明だけでは誰しも納得出来ない。鳩山氏は自分の秘書の誤った処理によって、この不祥事態になったというだけの説明しかしていない。なぜこうなったのかという原因と途中経過については説明がない。複数の故人から個人献金があったことと、名前を記載しなくてもよい5万円以下の献金者の割合が全体の半数以上というのは、いかにも不自然である。ある組織からの大口の献金を、意図的に5万円以下に分けて巧妙に報告書に記入したとしか思えない。比較的清潔と信じられていた鳩山氏のこの無責任と不手際は、何も鳩山氏だけに限ったことではなく、政治家全般に言えることである。小沢一郎・民主党前代表の西松建設献金疑惑問題もすっきりしない。二階国土交通相の西松献金問題もある。まだまだ与謝野馨・財務大臣の怪しげな資金問題もある。
国民はみんな不満を抱いている。時あたかも本日鳩山氏は、「鳩山由紀夫を告発する会」と称する都内の団体から、政治資金規正法違反容疑で告発された。