797.2009年7月19日(日) 旧社会主義国の深刻な失業問題

 このところ全国的に天候が荒れている。北海道トムラウシ山の遭難事件の際の悪天候を始め、今日は全国的に雨が降っていたようで、悪天候による水死者も出ている。そんな中で22日に46年ぶりの皆既日食が見られるというので、最良の観測点、トカラ列島の悪石島では今日早くもツアー客が上陸してきた。島民人口68人の島にツアー客だけで220人も押し寄せては、とてもインフラ整備が間に合わず、緊急の必要品を事前にツアー客に負担してもらう形で入島を認めるという異例の対応をした。飲料水が不足しているので、給水、食料手配、仮説シャワー設置、簡易トイレ設置、電源配備等、相当な準備がなされたようである。

 それにしても「悪石(アクセキ)島」とは、よくも名づけたものである。学生時代に南アルプス全山を縦走した折に、静岡県側の悪沢岳(3141m)を登頂したが、これは「ワルサワ」と呼称されている。名前が良くないのか、今では東岳と呼ばれることが多くなった。悪石島には、それなりに伝説や民話でもあるのだろうが、「良石島」とはならなかったのだろうか。

 今日入島したツアー客を島サイドで歓迎する小学校行事は、素朴だがTVで見る限りおもてなしの雰囲気が表れていて、ツアー客の評判も上々のようだった。皆既日食は僅か6分余のショーだが、天候に恵まれることを願う。46年前の記憶はほとんどないが、皆既日食といえば、むしろ1999年に皆既日食直後のトルコを訪れ、そこでM7のトルコ大地震に遭遇した印象の方がよほど強い。

 今日午後、NHK衛星1で東欧革命20周年を記念した「1989年から出発」を約4時間興味を持ったり、退屈しながら観た。4つのドキュメンタリーを50分ずつ見せてくれたが、1989年という社会主義が崩壊した時の東欧諸国の悩める内実を国ごとに紹介してくれた。

 4部作は「ポーランド大国支配からの脱出」「ルーマニア民主国家への苦闘」「ふたつの道・チェコとスロバキア」「旧東ドイツ・英雄都市」に分かれていて、それぞれに面白かった。押しなべて言えることは、ソ連の社会主義体制の強い締め付けによって民主化を押さえ込まれていた、東欧各国が自らの強固な意志と団結で体制派を打ち破り、ソ連の楔から抜け出た、社会主義体制の崩壊を時系列で映し出したが、新たな問題が表出して今日も社会問題化していることをドキュメントは描いていた。

 共通したその新たな問題とは他ならぬ失業問題である。ある中高年者のごときは、社会主義時代にはなかったことだと昔を懐かしんでいた。私自身あの時代にルーマニアにも、チェコスロバキアにも、そして英雄都市・東ドイツのライプチッヒをも訪れたことがあるだけに、何とも言えずもどかしく気の毒に思う。今や雇用問題と福祉問題、老人問題は想像も出来ないくらいゆるがせにできなくなった。どうしたら、国民がかつてより良い生活を送ることが出来るだろうか。人々が解決しなければならない永遠の課題だろうが、深く考えさせられた。

2009年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com