808.2009年7月30日(木) 大人は何歳からか?

 法務大臣の諮問機関・法制審議会の民法成年年齢部会は、民法上の成年年齢を現在の20歳から18歳へ引き下げることが適当とする最終報告書をまとめた。これは1人の人間が大人であるか、まだ大人には達していないか、その判断を示す基準、境界線を下げることを意味している。長年に亘って20歳になれば一応大人と世間は考えていただけに、18歳でよいと簡単には決めにくい理由もある。

 「18歳になれば大人」は大人としての自覚を持ってもらうため、また1人前に自立するという意識を持ってもらうためにも効果的であり、社会もそれを望んでいる。一方でそう簡単にいかない面もある。成人年齢を20歳から18歳へ引き下げることにより、年齢制限のある法律でひっかかるのが308もあるという。同時に若い人を1人前として認めようとしたがらない傾向のある日本人の性格からして、感情的な根強い反対論があるのも事実である。

 しかし、世界的にみると最早18歳以上を大人の年齢と認めている国の割合は、約7割もある。部会は責任の重さを感じたのか、YESとの結論は国会の議決に委ねるという逃げの形をとった。

 何歳から大人としたら良いのかは難しい問題で、副次的な問題もいろいろある。大人として自分ひとりで不動産契約まで出来るので、少々危険だという意見もある。しかし、18歳大人説が世界的傾向だとするなら、日本でも傍観者ではいられない。すべてを大人だからと認めるのではなく、今はすべてを認めずに過渡期的取り扱いとして部分的に大人としての処遇をしたらどうかと思う。

 こんなこともあった。西ドイツのギムナジウムを訪問した時だったが、校内でタバコをすっている生徒がいた。これを見た日本の先生がギムナジウムの校長へ学校内で喫煙を認めているのかと質問した際返ってきた返事が、認めたくはないが、憲法上16歳になれば喫煙をとがめられないことになっているのが悩みのひとつとのことだった。まず18歳の大人になったら全面的に何でも認めるという線から、部分的に網をかけていくというような経過措置をしないと変なものになってしまう恐れがある。

 銀座ライオンで恒例の飯田ゼミ暑気払いを行ったが、いつもの2階は予約が取れず、3階のライオン系統の「入母屋」で個室を借り切った。8人が揃ったが、総選挙を前にしてやはり政治への不満、民主党が政権を取ったらどうなるか、等々について話が盛り上がった。小松隆二先生も最近では学長だった東北公益文科大学へもほとんど行くことはなくなったと伺った。

 この「入母屋」で、初めてウナギのカツを注文して食べた。今まで考えたこともなかったウナギのカツが案外美味しいのにはびっくりである。実にうまかったなぁ。

2009年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com