817.2009年8月8日(土) 夏の甲子園で思い出すこと

 暑い夏の代名詞は「終戦」と「甲子園」である。その甲子園の高校野球が今日から始まった。そして、明日は長崎の「原爆の日」である。

 高校野球の開会式をテレビで観ていて、年々少しずつ好ましからざる方向へ変っているように思えてならない。その最大の変化は公立校の出場が少なくなり、私立校の天下になってきたことである。まして文武両道の学校は少なくなり、勉強は2の次の「野球学校」が大きな存在感を示すようになったことである。特に、開校まもない地方の学校は自校の名前を売るために、チーム強化に多額の資金を投入し、地元の金の卵ばかりか他府県からも素質の優れた選手を入学させ、チームを強化しようとしている。実際甲子園で活躍して名を上げると、その高校へ受験生が押し寄せ、偏差値も高まるらしい。そんな穿った見方のひとつに、新しい学校ほどユニフォームの学校名を漢字で表し、瞬時に校名を多くの人々の頭へ刷り込ませることが手っ取り早い方法だと考えている節が見られる。企業のM&Aがらみのように学校名が変ることも頻繁である。表面的には分からないが、その最前線ではきっとうんざりするような場面もあるのではないかということが杞憂であればいい。

 今日の開会式では、2つばかり嬉しい気にさせられた。ひとつは、優勝旗に架けられた過去の優勝校のリボンの名前に母校・湘南高校の名を見つけたことで、テレビ画面にはっきり写っていた。率直に言ってやはり嬉しかった。もうひとつは、昨年春の大会を最後に京都の名門・平安高校が、龍谷大学付属平安高校と校名変更して、今日夏の大会30回目の最多出場校として登場したが、そのユニフォーム姿を見る限り、昔のままの「平安高校」だったのでほっとしたことである。

 大分前に愛知県の名門・中京商高も中京大学付属中京高校となったが、ユニフォームの胸にはかつての‘CHUSHO’から、‘CHUKYO’へ変り、綴り文字に変っている。それに比べれば、まあ良いとするか。

 少年時代の思い込みの強い「平安」には、中学2年生時の半年間だけしか在学しなかったが、やはりほんの僅かの期間でも通った伝統校へのノスタルジアは強い。当時の同級生は、3年生時の昭和31年夏の大会で全国制覇をやってのけてくれた。閉会式ではテレビを観ながら、校歌を歌った。懐かしい思い出がいっぱい詰められている。難しいとは思うが、希望としては、いつの日か元の「平安高校」に戻ってくれることを待っていたい。

2009年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com