826.2009年8月17日(月) ウェブ上院議員の行動はまともか?

 3日間ほどビルマに滞在したアメリカのジム・ウェブ上院議員は、その間民主化運動指導者・アウン・サン・スー・チーさんに会ったり、軍事政権の最高権力者タン・シェ国家平和発展評議会議長と会談して、スー・チーさん宅へ侵入して逮捕されていたアメリカ人ジャーナリストを国外追放処分してビルマから追放し、アメリカへ帰国させることに成功した。結果的にアメリカのメンツを立て、アメリカの希望に沿った対応をしたことになったのである。ジャーナリストの独断的不法行為により、スー・チーさんに迷惑をかけ、その咎ゆえにスー・チーさん自身は自宅軟禁期間を延長され、民主化が遅れる結果になったのであるが・・・。

 ところでこのウェブ議員のパフォーマンスはどこかおかしくないだろうか。アメリカだけが勝手な振る舞いにより国際社会を騒がせただけに過ぎない。:

 先月国連事務総長・潘基文氏がビルマを訪れ、ビルマの頑なな態度を何とか和らげ、手詰まり状態の外交関係を打開しようと試みたが、ビルマ軍政側の強硬な姿勢でスー・チーさんと会うことはもちろん、タン・シェ議長とも会うことが叶わなかった。国連事務総長がビルマ軍政から玄関払いされてコケにされたのである。赤っ恥をかかされたのである。これは国連の存在自体が鼎の軽重を問われる結果となって、国連の威信と権威の低下をも曝け出したようなものである。

 実際この前後にアメリカ議会では、子どもの使いのような潘基文・事務総長のビルマ行きをあげつらい、事務総長の力量を疑問視する声があったのも事実である。ウェブ議員の行動は、オバマ大統領や、民主党リベラル派議員の了解のうえなのかどうか判然としないが、あまりにもアメリカの自己都合的なやり方ではあるまいか。国連事務当局は、果たしてウェブ議員の独断専行を事前に承知していたのか。それにしてもアメリカのひとり外交はいただけない。

 いずれにせよ、アメリカは口では北朝鮮に対しても、6ヶ国協議がすべての交渉の前提と言ってはいるが、実際やっていることは、同盟国を欺く抜け駆け外交ではないだろうか。

 クリントン元大統領の電撃的な北朝鮮訪問しかり、今回のウェブ議員のビルマ訪問しかりである。自国民が生命の危機に瀕したとなると、他国との同盟外交関係を2の次にして単独行動に走る。困ったものである。

 それにしても、事務総長からも、6ヶ国代表からも、安保理国からも一向に「不快の念を覚える」声が上がってこないのが、これまた不思議である。やはり、国際外交というのは魔界の闇に巻き込まれているのだろうか。

 今日の歩数は11,000歩だった。何とか1万歩になった。このペースを守ろう。

2009年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com