828.2009 年8月19日(水) 国立追悼施設建設をどう考えるのか。

 今度の総選挙ではマニフェスト品評会の感がある。新聞紙上に紹介された限りで各党の内容を比較してみると、自民、民主、共産を含めて全党が割合一致しているのは、「非核3原則の堅持」「高齢者を支えるため現役世代の負担が重くなるのは避けられない」「外国人労働者の受け入れ」「官僚の天下りの全面的禁止」「国会議員の世襲禁止」などである。

 まあ当然と言えば当然のことである。議員自身の本音は果たしてどうなのか。中でも国会議員の世襲禁止に関しては、自民党は少々距離を置いている。まあ現状から察して当然だろうと思う。しかし、この問題は最近になって浮上してきた。かつては誰もが検討事項であると承知していながら、手がつけられなかった。それは、自民党内の実力者が揃いも揃って世襲議員だったからで、ここへきて漸く世襲実力者の影が薄くなってきたせいであろう。

 ところで、マニフェストには公表されていないが、戦没者の霊を祀る、新しい国立追悼施設の建設についてはどう考えているのか。民主党は党として建設に前向きで、候補地として千鳥ケ淵戦没者墓苑を考えている。共産党、社民党も前向きである。では自民党はどうだろうか。麻生首相は3年前の外相時代に「宗教法人としての靖国神社に解散してもらい、特殊法人化して国立の追悼施設とする」案を公表した。これに当の靖国神社や日本遺族会が反発して、すでに合祀されているA級戦犯の分祀も認めないと言い出した。これに手を焼いた「ぶれる」首相は、最近では「追悼施設を作ったら、靖国の話がなくなるのか」と言っている。つまり、新施設建設反対派に変身したのである。こんな好い加減な考えで、戦没者のことを考えているのだとしたら、戦没者も遺族もたまったものではない。

 問題はそう単純なものではない。こういう永年の懸案、かつ国のために殉死された戦没者を祀る施設に対する考え方が長い間放置されて検討もされず、宙ぶらりんであることが問題なのである。天皇・皇后両陛下が参拝出来る色のつかない、遺族はもちろん国民誰でもが気軽に参拝出来る施設建設について、真剣に議論すべき時はもうとっくに来ているのではないだろうか。

2009年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com