830.2009年8月21日(金) アフガニスタン大統領選挙は大丈夫か。

 昨日から行われているアフガニスタン大統領選挙が世界中の注目を集めている。現職のカルザイ大統領にとっては2期目の選挙である。この国の選挙制度そのものがどうも分かりにくい。第1に直接選挙制であるが、ひとりの大統領に対して30人を超える立候補者の多さも異常である。加えて今回は投票率が問題だ。前回2004年に行われた選挙では、70%の投票率だったが、今年は勢力を盛り返してきたタリバンが各地で激しい選挙妨害を繰り返している。住民もタリバンから投票したら、危害を加えると脅かされているというから物騒である。実際各地の妨害テロで多くの犠牲者が出ている。

 これを証明するように、今朝の朝日新聞1面に驚くような写真が掲載されていた。頭から頭巾を被った老婆が示した右手人差し指の先端部から第1関節と第2関節の間まで、紫色の液が付いている。投票を終えた証拠だそうである。これでは、タリバンの標的になるではないか。しかも、どうも野蛮な感じである。投票所の場所でさえ、予定していた場所に設置されたわけではないようだ。こう言っては身も蓋もないが、現状を考えると果たしてこの国に選挙制度そのものが受け入れられる土壌があるだろうかと考えてしまう。仮に問題の選挙が滞りなく行われ大統領が選ばれても、組閣に当って有力閣僚にはそれぞれ思惑があるようで、順調に内閣が発足し、内政、外交を期待通り行っていくことが出来るだろうか。

 新聞評によれば、選挙はカルザイ大統領が過半数を獲得出来ず、決戦投票に持ち込まれて再選され、その過程でアメリカと距離を置く政敵と取引が行われ、カルザイ政権の対米協調路線に多少異変が起きるのではないかと予想されている。アメリカとしては今後も兵力を注ぎ込んでもう少し治安を安定させたいところだ。

 ところで、今ベルリンで開催している世界陸上で男子短距離走が話題をさらっている。昨日200m男子決勝が行われ、ジャマイカのウサイン・ボルト選手がダントツの強さで優勝を遂げた。100mと併せて北京五輪に次いでダブル・チャンピョンとなった。すごいのは、その記録である。200mは19秒19の世界記録で、100mは9秒58の世界記録だった。しかも2位に大差をつけた楽勝であり、見ている人を驚かすのは、その底知れない馬力で、過去にこれほど圧倒的な力で勝利を収めた短距離選手はいなかったのではないか。

 勝てると思ってゴール近くでは手を抜いていわゆる「流す」のである。もう少し真剣に走れば、もっとすごい記録を出るだろうにと思う。本人は決勝では最後まで本気で走って楽勝して、そのうえ世界記録も破るというのだから破天荒な選手である。まあ性格的に生真面目すぎる日本人には馴染めないだろうが、それにしてももの凄い選手が現れたものである。

2009年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com