837.2009年8月28日(金) 「責任力」って何だ?

 衆議院議員総選挙投票日が明後日に迫り、候補者の広報カーが近所を走りまわり、そのスピーカーが煩いこと夥しい。4年前の郵政選挙と称せられた選挙の時もヒートアップして自民党が圧勝に終ったが、今回はまったく逆転現象となり、政権交代を訴えている民主党が圧倒しそうである。

 新聞各紙の見方もほぼ似たような予想を立てているが、昨日の朝日新聞によると115議席だった民主党が2倍以上の伸びで307~330議席を獲得しそうだと予測している。一方自民党は300議席だったが、89~115議席にまで大幅に議席を失いそうだ。さあどうなるか。

 前回の第1四半期GDPが久しぶりに向上して景気が少し良くなってきたと多少楽観していたが、今日総務省が発表した労働力調査によると、7月の完全失業率は前月を0.3%上回る5.7%となった。家に篭っていると実感としてはあまりぴんと来ないが、完全失業率が5.7%というのは、その周辺に相当数のフリーターと非正規社員がいるということである。政権が代わってもすぐ直面する大変な問題である。

 トヨタの米カリフォルニア州におけるGMとの合弁工場をトヨタは閉鎖するという結論を出した。トヨタとしては再建中のGMが色よい返事をしてくれず、ついに諦めざるを得なかった。これにより従業員4,300名が職を失うことになり、財政状況がピンチだったカリフォルニア州にとっては新たな雇用問題を抱えることになった。

 こういう目に入ってくる経済関係のニュースを見るたびに、不況からの脱却はまだ当分遠いとの感がする。

 さて、朝日夕刊1面を見て笑ってしまった。言葉の問題であるが、昨今気になっていた「~力」という使い方である。先日麻生首相が言い出した「責任力」という言葉が、どうも違和感があり、かつてこんな言葉はなかったのではないかと疑問に思っていた。夕刊の記事はこの「~力」を皮肉ったものである。98年に作家・赤瀬川原平の「老人力」から始まるのだが、その後「常識力」「人間力」「鈍感力」「にっぽん力」等々、みんなこんな言葉があったかなあと思える単語ばかりである。最初の「老人力」などは、洒落が利いている感じで、むしろ目新しさも効いて面白い表現だなと思ったが、総理大臣が自ら責任を果たしてもいないのに、「責任力」を言い出すに至ってはとてもまともには受け取れず、ついユーモアの世界ではないかと思ってしまう。

2009年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com