846.2009年9月6日(日) NHK・ETV特集「金大中~激動の生涯」

 16日に特別国会で首班指名が行われ、ポスト麻生の首相が決まる。民主党の鳩山由紀夫代表が首相の座に座るのはほぼ確定的である。今気にかかるのは、前政権が名前だけをそのまま引きずって大臣を務めているが、仕事らしいことは何もやっていないのではないかと思っている。日米関係がギクシャクしかねないのに、現在の中曽根外相は動こうとの姿勢をまったく見せない。鳩山民主党代表が書いた論文が火種だと考えて、次の民主党外相に後事を託すということで何の手も打たないのだろうか。つまりこの国際的に緊張感が高まっている時に、日本は外交をしばらくお休みするということだ。これでは、国家の外交を担うべき外務大臣としては無為無策であり、怠慢である。

 同じことは、新型インフルエンザが流行しているのに、何らの手も打たずに厚生労働大臣も手を抜くということになる。こんなことで良いのだろうか。もう少し緊張感を持ってテキパキ決めるべきことは決めて、作業を進めないと国家事業がすべて停滞することになるのではないか。この点で政治家のセンスはどうもおかしいし、更に何も言わないマス・メディアもおかしいと思う。

 夜10時からNHK・ETV特集が「金大中・肉声でたどる激動の生涯」と題するテーマで8月に亡くなった金大中・韓国元大統領の生涯を振り返っていた。時の政府から弾圧を受けながら抵抗運動を続けた、今どき珍しいほど気骨のある政治家だった。過去に何度もETV特集で取り上げられた金大中は、それだけ焦点を当てるにふさわしい人物だったことが、今日の特集を観ていてもよく分かった。

 拉致事件、光州事件、死刑宣告、アメリカ亡命、自宅軟禁、大統領当選、対北朝鮮太陽政策、ノーベル平和賞受賞、宿敵・金泳三元大統領との確執と和解等々、金大中に関する話題には事欠かない。波乱に富んだ人生は、死亡時にもかなり報道され、紹介された。今日の番組では、多くの衝撃的なビデオが映し出されたが、特徴的だったのはインタビューに応える金大中から熱く伝わってきたのは、揺るがぬ信念だった。現在日韓両国間には友情と信頼が生まれ、以前に比較して遥かに両国民の間には信頼、友情、融和がある。それは金大中の功績によるところが大きい。

 日韓平和条約を締結した時の外相だった河野洋平氏が、日本が靖国神社の他に国の追悼施設を作ると応えたことに対して、まだ国論が一致していないためにその動きが進まないと述べた。それに対して金大中は、両国政府間で約束したことだから、待っているとの胸元に匕首を突きつけるような言い方はしなかったと応え、むしろ河野氏は日本の対応が遅れていることを恥ずかしく思うというようなコメントを述べていた。

 小中陽太郎さんも金大中氏が自宅軟禁中に突撃取材しているので、出演するかと思っていたら、取材者として画面に現れたのは、今もてはやされている姜尚中・東大教授だった。

2009年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com