昨日ミステリー作家であり、鉄道作家としても知られる野村正樹さんから電話があり、先日校正のために野村さんに送った原稿について、話し合いをしながら確認したいという意向を伺ったので、2つ返事でお引き受けして午後渋谷でお会いした。
渋谷の「ハチ公」前で待ち合わせと言えば、お上りさんだが、珍しい現象が見られた。「ハチ公」銅像前で記念写真を撮っている外国人旅行者が多かったことである。今までそんな光景は見たことがなかったが、それもハリウッド・スター、リチャード・ギア主演で「ハチ公」をモデルにして映画「HACHI」が、人気を呼んでいるせいだろう。
野村さんは今売れっ子の作家として、すでに120冊もの著書を世に出されている。随分参考になる話を伺った。作家の視点、見方というものを教えてもらった。7月に時事通信社から出版された「鉄道トリビア探訪記」に続いて、近日東洋経済新報社から「東京八景」という思い出話を出版される。伺ったところでは、高校を卒業して上京した50年前に歩いた都内の写真が残っていたので、その地を再訪して思い出話を書かれるという話だった。
さて、ロシアがぴりぴりしていたアメリカのチェコとポーランドへのミサイル防衛(MD)システム配備を、アメリカが中止すると公表した。これもオバマ大統領の遠大な核廃絶への遠いながらも効果的で着実な一歩だと思う。4月にチェコのプラハで核廃絶への決意を宣言して、世界をあっと言わせたオバマの第2段であり、オバマもいよいよ本気で核廃絶の道へ舵を切った。ブッシュ大統領時代に進めていたヨーロッパにおけるMD計画の見直しである。目標を自国に向けられて少々神経質になっていたロシアにとっては大歓迎である。メドベージェフ大統領も今後ミサイル拡散の脅威に「共同で取り組もう」と声明を出したが、イギリスもフランスも歓迎している。こういう実務的なことが実行される(取り止めるということだが)のは、前途に希望があっていいものである。
本来アメリカの東欧へのMD配備の目的は、イランの核・ミサイル攻撃からの防衛計画のひとつだった。これに対して、ロシアがアメリカの計画に脅威を感じて、イランに防空ミサイルを売却する動きを見せていた。これでロシアも売却計画を止めるだろう。
オバマの意思に合わせて、鳩山首相もオバマとの首脳会談の際、鳩山首相から核軍縮の方向へ話を持ちかけてもらいたい。いずれにしろこのように世界情勢が混沌とした時代に、核廃絶の動きは明るい兆しである。このままこの動きが強まることを願いたい。